※本記事はプロモーションを含みます。
AIに実装を頼むとき、いちばん危ないのは「これくらいなら、だいたい伝わるだろう」と思っている要望です。
自分の頭の中では、やりたいことの優先順位や、まだ決めていない条件が何となく分かっています。けれど、それを言葉にしないままClaude Codeへ渡すと、AIは空いている部分をそれらしく埋めながら前へ進みます。
動くものが返ってきても、あとから見ると「そこはまだ決めていなかった」「その前提では進めてほしくなかった」となり、結局戻ることがありました。
今は、まずChatGPTで要件を言葉にし、Claude CodeのPlanモードで進め方を確認してから実装へ進むようにしています。
この記事では、日本株チャートツールを作る中で使った、曖昧な要望を小さな仕様に変えてから実装へ渡す流れを整理します。
曖昧なまま投げると、AIはそれっぽく前へ進む
AIに頼む前の要望は、自分で思っている以上にいろいろな条件が混ざっています。
たとえば「日本株のチャートを見たい」と言っても、実装するとなると、銘柄をどう指定するのか、どの期間を表示するのか、何の指標を出すのか、保存するのか、エラーが出たらどうするのか、といった条件があります。
人間同士なら、途中で「これは後でいいです」「まず表示だけでいいです」と話しながら調整できます。
AI相手でも途中で修正はできますが、最初から広い範囲を頼んでしまうと、こちらがまだ迷っている部分まで含めて、完成形に近づけようとすることがあります。
私が手戻りを感じたのも、AIの能力が足りなかったというより、私の要望がまだ仕様になっていなかった場面でした。
実装されたあとに「思っていたものと違う」と気づくと、直す場所も大きくなります。画面、処理、設定、テストまで一緒に変わっていると、どこから戻せばよいのか分かりにくくなります。
そこで、Claude Codeへ渡す前に「AIに考えてもらう時間」を別に置くようにしました。
いきなり実装させるのではなく、まず曖昧な要望をほどいて、決めることと、まだ決めないことを分けます。
その整理に、私はChatGPTとClaude CodeのPlanモードを使っています。
ChatGPTで要件を言葉にしてからClaude Codeへ渡す
私の場合、最初の整理はChatGPTに頼むことが多いです。
いきなりClaude Codeへ「作ってください」と渡すのではなく、まず「やりたいこと」「今決まっていること」「今回はまだやらないこと」を並べます。
たとえば、日本株チャートツールなら、次のような形です。
| 項目 | 書いておくこと |
|---|---|
| 目的 | 日本株のチャートを見て、あとから条件検証へつなげたい |
| 今回やること | まず銘柄を指定してチャートを表示する |
| 今回やらないこと | 売買判断、複雑な条件、長期の自動検証 |
| 確認したいこと | データ取得と表示の流れが破綻していないか |
| 止める条件 | 実装前に計画を出し、Phase 1で一度止まる |
この段階で、きれいな仕様書を作ることが目的ではありません。
私が意識しているのは、自分がまだ決めていないことまで、AIに決めてもらわないことです。
未定のものは、未定のままで構いません。
「ここは仮で進める」「ここは今回は実装しない」と分けるだけでも、Claude Codeへ渡す指示はかなり整理されます。
最後にChatGPTへ「Claude Codeへ渡す依頼文に整えて」と頼むこともあります。
ただし、その文章をそのまま使うわけではありません。
自分でもう一度読み、言い過ぎているところや、まだ決めていない条件まで確定事項として書かれていないかを確認します。
このひと手間を入れると、Claude Codeへの依頼が「作ってください」から「まず、この範囲でどう進めるかを出してください」に変わります。
私としては、AIに実装を任せる前に、頭の中にあるものをいったん外へ出すような感覚です。
Planモードは実装前にズレを止める時間として使う
Claude CodeのPlanモードは、私にとって「実装前に一度止まるための場所」です。
機能名だけで覚えるというより、ファイル編集へ進む前に計画を立てさせ、その内容を人間が確認してから実装へ進む段階として使っています。
いきなり実装へ進むと、AIの計画が少しずれていても、そのままファイル変更まで進んでしまうことがあります。
あとから差分を確認することはできますが、変更されたあとに見るのはどうしても重くなります。
Planモードなら、まだ実装されていない段階で、どこを変更するのか、どの順番で進めるのか、どこで一度止めるのかを確認できます。
私がPlanモードで見ているのは、細かいコードの良し悪しだけではありません。
むしろ、次のようなところを見ています。
- 今回やらないことまで含まれていないか
- 変更対象が広がりすぎていないか
- Phase 1で止まる計画になっているか
- テストや確認方法が書かれているか
- 分からない前提をAIが推測で埋めていないか
ここで違和感があれば、まだ実装前なので戻せます。
「今回はそこまでやらない」「まず表示だけにする」「確認方法を先に決める」といった修正もしやすいです。
Planモードは、AIを信じるか疑うかという話ではないと思っています。
作業が始まる前に、AIが考えている進め方を、人間が確認できる形にしてもらう時間です。
曖昧な要望をそのままコードへ変えるのではなく、いったん計画に変えてから見る。
このワンクッションを置くことで、私はズレに気づくタイミングが早くなりました。
日本株チャートツールではPhase 1だけを先に動かした
日本株チャートツールでは、最初から完成形を作ろうとせず、Phase 1だけを先に動かしました。
やりたいこと自体はいろいろありましたが、最初に確認したかったのは、
「銘柄を指定し、データを取得し、チャートとして見られるか」
というところです。
この段階から複雑な売買条件やバックテストのような処理まで入れてしまうと、動かなかったときに原因を切り分けにくくなります。
データ取得が悪いのか、表示が悪いのか、条件ロジックが悪いのか。
一度にいろいろ入れるほど、問題が起きたときに見る場所も増えます。
そこでPlanモードを使い、Phase 1の目的と完了条件を先に確認しました。
依頼文のイメージは、次のようなものです。
日本株チャートツールのPhase 1として、まず銘柄を指定してチャート表示できる最小構成を作りたいです。今回は売買判断や複雑な条件は入れません。実装前に、変更対象・実装順序・確認方法をPlanとして出してください。計画確認後に進めます。
このくらいまで範囲を書いておくと、AIがこちらの意図以上に機能を広げる余地を小さくできます。
もちろん、AIから追加の提案が出ることはあります。その提案を今回採るのか、後に回すのかは、Planの段階で私が決めます。
Phase 1が動いてから、設定の追加、ロジックの追加、テスト、結果確認へ進めていく。
この順番にしてから、私は「全部できたか」を確認するのではなく、「いまのPhaseが期待どおりか」を確認すればよくなりました。
確認する単位が小さくなると、その次にClaude Codeへ頼む内容も決めやすくなります。
この流れに変えて、ズレに気づく場所が早くなった
ChatGPTで要件を整理し、Planモードで計画を見て、Phase 1から進める。
この流れにして一番変わったのは、手戻りがゼロになったことではありません。
手戻りにつながりそうなズレに、以前より早く気づけるようになったことです。
AIを使っていても、ズレは起きます。エラーも出ますし、思っていたものとは違う提案が返ってくることもあります。
それでも、実装後に大きな差分を見ながら「どこから直そう」と考えるより、Planの段階で「そこは違う」と言えるほうが、私には進めやすく感じます。
この考え方は、Claude Codeだけの話でもないと思っています。
仕事でAIに何かを頼むときも、最初から完成品を求めるほど、確認する範囲は広くなります。
資料作成でも、議事録でも、文章整理でも、最初に目的と範囲を出し、AIに計画や構成を作らせ、人間が確認してから進めるほうが、途中で軌道修正しやすくなります。
私がAIに何かを任せる前に見るようになったのは、次の三つです。
- 今回やることを一文で言えるか
- 今回やらないことを書けているか
- AIが実行する前に、人間が確認する時間を置けているか
この三つが曖昧なままだと、AIはそれらしく空白を埋めながら前へ進みます。
だから私は、Planモードを単なる便利な開発機能というより、「自分の曖昧さを実装前に見つける場所」として使うようになりました。
もう一つ意識しているのは、Planを見たあとに、自分の言葉で直すことです。
AIが出した計画を読んで「だいたい合っている」と思っても、引っかかる表現はそのままにしないようにしています。
特に、「自動化する」「最適化する」「必要に応じて追加する」のように範囲が広がりやすい表現は、実装に入る前に「具体的に何をするのか」まで狭くします。
AIに任せる前に仕様を整理するのは、AIのためだけではありません。
自分が何を決めていて、何をまだ決めていないのかを確認するためでもあります。
Planモードを挟むようになってから、以前よりAIへの依頼は少し慎重になりました。
それでも、完成してから大きく戻るより、実装前に一度止まって考えるほうが、今の私には合っています。

