一人で考えがまとまらず判断に深く迷うときは|ChatGPT壁打ちの進め方

散らかった考えを壁打ちで整理し判断を自分に戻す様子

※本記事はプロモーションを含みます。

仕事で判断に迷うとき、困るのは答えがないことだけではありません。そもそも何に迷っているのか、自分でもうまく言葉にできないことがあります。

誰かに相談できれば早い場面でも、相手の時間を取るほど考えが整理できていなかったり、まだ社内で話す前の仮説だったりすると、一人で抱え込みがちです。そんなとき、私はChatGPTを壁打ち相手として使っています。

ただし、ChatGPTに決めてもらうわけではありません。

私が任せているのは、頭の中にあるものを並べること、論点を分けること、抜けている視点を出すことです。その材料を見たうえで、最後の判断は自分に戻します。

管理職として不確実性の高い技術プロジェクトを扱っていると、AIに相談したくなる場面は増えました。一方で、最終判断まで委ねるのは難しいとも感じています。

この記事では、そんな場面で私がChatGPTをどう壁打ち相手として使っているのか、そしてAIと判断の間にどこで線を引いているのかを整理します。

目次

考えが固まる前に相談したい場面ほど、AIが助けになる

ChatGPTとの壁打ちが役に立つのは、きれいな質問ができるときだけではありません。

むしろ私の場合、考えがまだ散らかっている段階で使うことのほうが多いです。

たとえば技術プロジェクトで、「このまま進めてよいのか」「どこまで調査すれば判断できるのか」「関係者へどう説明すればよいのか」と迷うことがあります。

頭の中では、コスト、期間、品質、現場の負担、リスクなどが一緒に回っています。全部を考えようとするほど、何から手をつければよいのか分からなくなることがあります。

こういうとき、人に相談する前の前処理としてChatGPTに投げます。

「まだ結論は出さないでください。いまの悩みを論点に分けて、判断に必要な情報を整理してください」

このくらいの頼み方でも、自分が何に引っかかっているのかが少し見えやすくなります。

私がここで大事にしているのは、AIにいきなり正解を聞かないことです。

判断を求めれば、ChatGPTはそれらしい結論を返してきます。ただ、私が欲しいのは結論そのものではなく、結論を出す前に見ておいたほうがよい材料です。

考えがまとまらないときほど、AIには「決める」ではなく「散らかったものを並べる」役を渡す。

これが、私にとっての壁打ちの出発点になっています。

壁打ちでは、答えより論点の並べ替えを頼む

ChatGPTに壁打ちを頼むとき、私は出力の分け方を指定することがあります。

自由にアドバイスしてもらうより、「論点」「判断材料」「追加で確認すること」「いったん保留にすること」のように分けてもらったほうが、そのあと自分で考えやすいからです。

たとえば、こんな形で頼みます。

まだ結論は出さないでください。以下の悩みを、1. 事実として確認済みのこと、2. 推測していること、3. 判断に必要な追加情報、4. いま決めなくてよいこと、に分けてください。最後に、私が自分で判断するための確認質問を5つ出してください。

この頼み方をすると、ChatGPTの出力が「こうすべきです」という回答ではなく、考えるための棚のようになります。

自分の話の中に混ざっていた事実と推測が分かれたり、今すぐ決めようとしていたことが、実はまだ保留でもよいと気づいたりします。

もちろん、ChatGPTが分けた内容がすべて正しいとは限りません。

こちらが渡した情報の中から、それらしく整理することはできますが、社内事情や関係者の温度感、実際に動かしたあとの影響までは分かりません。

そのため私は、出力を見たあとに、

「この中で、AIが推測している可能性がある部分を分けてください」

と追加することもあります。

きれいに整理された文章ほど、事実と推測の境目が見えにくくなることがあるからです。

壁打ちでは、AIの言葉を自分の結論に変えるのではなく、自分が考えるための材料として使う。そのくらいの距離が、今のところ自分には合っています。

委任・検証・判断に分けると、AIへ渡す範囲が見える

私がAIを仕事に使うとき、最近よく考えているのが「委任・検証・判断」の分け方です。

全部をAIに任せるのではなく、何を委任し、何を検証に使い、どこから先を自分で判断するのかを分けて考えます。

壁打ちでも、この分け方をするとAIへ渡す範囲が見えやすくなります。

区分ChatGPTに頼むこと人間に残すこと
委任論点の分解、選択肢の列挙、説明文のたたき台どの論点を重く見るか
検証抜け漏れ候補、反対意見、リスクの洗い出しそのリスクが現場でどれほど大きいか
判断判断基準の候補、決定前の質問作り最終方針、優先順位、責任の引き受け

こうして分けてみると、AIに渡せる作業は思っているよりあります。

自分の考えを整理する。反対側の見方を出してもらう。説明する順番を組み替える。判断前の質問を増やす。

こうした部分では、ChatGPTに助けられることがあります。

一方で、AIへ渡しにくいところもはっきりします。

どのリスクを受け入れるのか。どの関係者へ先に説明するのか。どこまで進めて、どのタイミングで止めるのか。

こうした判断は、ChatGPTの文章がどれだけ自然でも、最後は自分の仕事として残ります。

この区別をせずに使うと、ChatGPTが出した提案が、そのまま「正しい判断」のように見えてしまうことがあります。

委任・検証・判断に分けておくと、「ここまではAIから出してもらった材料」「ここから先は自分が決めること」と線を引きやすくなります。

管理職の判断は、AIの提案を読んだあとに残る

管理職として不確実性の高い技術プロジェクトを扱っていると、AIの便利さと限界を同時に感じます。

調査の整理や論点出しは助かります。説明の筋道を作ったり、想定される質問を並べたりする作業も、ChatGPTを使うことで進めやすくなることがあります。

でも、それで判断そのものがなくなるわけではありません。

むしろAIが材料を整理してくれるほど、

「では、どの前提で進めるのか」

「どこまでを組織として受け入れるのか」

「うまくいかなかった場合に、どう説明するのか」

といった部分が残ります。

ChatGPTに壁打ちすると、選択肢が増えることもあります。

ただ、選択肢が増えれば、その中から採るものと捨てるものを決めなければなりません。

AIは複数の案をもっともらしく並べられますが、どれが実際の現場に合うのか、どこまでリスクを取るのかを決めるのは私です。

ここを曖昧にすると、AIを使ったことで逆に説明しにくくなります。

「AIがこの案を出したから進めました」では、自分の判断理由にはなりません。

なぜ採用したのか。なぜ別の案を見送ったのか。なぜまだ決めなかったのか。

そこは、自分の言葉で持っておく必要があります。

だから私は、壁打ちの最後に、

「私が判断するために、まだ残っている論点を出してください」

と頼むことがあります。

AIから結論をもらうためではありません。

AIに整理してもらったあとでも、自分が引き受けなければならない判断が何なのかを見えるようにするためです。

不確実性が高い仕事ほど、この最後の部分まではAIに渡せないと感じています。

壁打ち後は、採用・保留・捨てるを自分で書き残す

ChatGPTと壁打ちしていると、その場ではかなり整理できた気になります。

ただ、会話を終えてから見返すと、「結局、自分は何を選んだのか」が分からなくなることがあります。

AIから出てきた案と、自分が実際に判断したことが混ざってしまうからです。

そこで私は、壁打ちの最後に小さな判断メモを残すようにしています。

形式はシンプルです。

  • 採用すること
  • 保留すること
  • 採用しないこと
  • 追加で確認すること
  • 判断した理由

このメモを書くと、ChatGPTが出した材料と、自分が決めたことを分けやすくなります。

AIが出した選択肢の中から何を選んだのかも残りますし、あとから人に説明するときにも、「AIが言ったから」ではなく、「私はこういう理由で採用した」と整理しやすくなります。

ただ、このメモを長くする必要はないと思っています。

「A案を採用する」

「B案は情報不足なので保留する」

「C案は現場負担が大きいため採用しない」

この程度でも、壁打ちの結果を自分の判断へ戻せます。

ChatGPTとの会話は、人に相談したときに近い納得感が残ることがあります。だからこそ、最後に自分で一行書いておくことが大事だと感じています。

AIに整理してもらったあと、自分はどこに線を引いたのか。

その記録がないと、あとから見たときにAIの提案と自分の判断が混ざってしまいます。

AIを壁打ち相手にする価値は、孤独な判断を肩代わりしてもらうことではないと思っています。

自分の考えをいったん外に出して、判断に必要な材料を並べ、自分で引き受ける部分を見えやすくする。

私は今のところ、そのためにChatGPTを使っています。

一人で考えがまとまらないとき、ChatGPTは相談前の壁打ち相手として便利です。

ただし、最後の判断者にはしない。

迷っている時間を短くすることと、判断そのものを軽く扱うことは別です。ChatGPTには前者を助けてもらいながら、後者は自分の仕事として残す。

そのくらいの距離感が、仕事で使ううえではちょうどよいと感じています。

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この記事を書いた人

東証プライム上場企業で生成AIの開発に携わるAIエンジニアです。

仕事では最先端のAIを扱いながら、日常ではあまり活用できていないことに気づきました。

本当にAIは人生を変えるのか.

それを確かめるため、株式投資や副業、子どもとの遊びなどにAIを取り入れ、暮らしがどう変わるのかを実験・発信していきます。

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