ChatGPTに仕事を任せる使い方|メール・議事録・資料作成で人が確認すること

ChatGPTに任せる作業と人が確認する作業を、メールや議事録、資料作成で分けるイラスト

※本記事はプロモーションを含みます。

ChatGPTを仕事で使うと、メールの下書き、議事録の整理、資料構成、文章校正、Excelの相談など、手を動かす前の作業を進めやすくなります。

一方で、最近あらためて感じているのは、AIに全部任せようとすると、かえって手戻りが増える場面もあるということです。

AIから返ってきた文章や表は、見た目がきれいに整っています。そのため、「だいたい合っているだろう」と思いやすいのですが、仕事で使う場合は、それだけでは足りません。

相手との関係に合ったメールになっているか。会議で本当に決まったことだけが議事録に書かれているか。資料の順番が聞き手に合っているか。元の文章の意味が変わっていないか。Excelの数式やVBAが実際に動くか。

最後は、人間側で確認する必要があります。

私も、PowerPoint資料の作成やツールのマニュアル校正で、確認を軽く見たために困った経験があります。

そこで今は、最初の文脈を人間が出し、ChatGPTには整理やたたき台作成を任せ、最後は人間が元の情報へ戻って確認する、という分担にしています。

この記事では、メール、議事録、資料作成、文章校正、Excelで、私がChatGPTに任せていることと、人間側に残している確認をまとめます。最後に、仕事を頼む前に使っているテンプレートも紹介します。

目次

ChatGPTに仕事を丸ごと任せると、手戻りが増えることがある

仕事でChatGPTを使い始めたころ、私がよくやっていたのは、「とりあえず全部いい感じにしてください」という頼み方でした。

たとえばPowerPoint資料では、AIに一から複数の構成案を作らせ、その中からよさそうな案を選ぶ方法を試しました。

候補がいくつも出てくるため、一見すると効率がよさそうに見えます。

しかし実際には、それぞれの案で少しずつ軸が違い、全体の一貫性が弱くなりました。聞き手に何を伝えたいのかも、だんだん分かりにくくなります。

複数案を見比べ、組み合わせ、もう一度修正するうちに、最初から自分で流れを考えたほうが早かったかもしれないと感じることもありました。

文章校正でも失敗しています。

開発したツールのマニュアルをChatGPTに整えてもらった際、私の確認が甘く、元の意味が変わったまま資料が展開されてしまいました。

その資料は複数箇所に広がり、読んだ人が操作や条件を誤解しました。結果として、ツールがうまく動かないというトラブルにつながりました。

文章が自然であることと、仕事で正しく使えることは別です。

だからといって、ChatGPTを使わないほうがよいとは思っていません。

むしろ、AIに任せる範囲を広げるほど、人間が最初に渡す文脈と、最後に確認する項目をはっきりさせる必要があります。

仕事でのAI活用は、文章を作らせる技術というより、どこまで任せるかを設計する作業に近いと感じています。

基本ルールは「最初の入力と最終確認は人間、整理はAI」

今の私の使い方は、かなり単純です。

まず、最初の入力を人間側で用意します。

相手は誰なのか。何のための仕事なのか。どこまで決まっているのか。何を気にしているのか。まだ決めていないことは何か。

頭の中にある背景を、最初に自分の言葉で出します。

そのうえで、ChatGPTには整理、要約、比較、たたき台作成を頼みます。散らばった情報を並べ替えたり、表にしたり、文章の形にしたりする部分は、AIに任せやすいと感じています。

ただし、最後の判断は人間側に残します。

仕事では、出力がきれいでも前提が違えば使えません。

会議で決まっていないことが、決定事項として書かれていないか。相手に対応を約束しすぎていないか。資料の順番が、自分の伝えたい流れと合っているか。数字や条件が元の資料から変わっていないか。

ここは自分で確認します。

最近、最初の入力によく使っているのが音声入力です。

最初からきれいなプロンプトを書こうとすると、何から書けばよいのか迷って手が止まります。

そこで、頭の中にあることを音声入力でつらつら話し、その内容をChatGPTに整理させています。

この方法なら、自分の思考整理とAIへの文脈提供を同時に進められます。

いきなり完成した資料や文章を頼むのではなく、まず自分が考えていることを外に出し、それをAIに並べてもらう感覚です。

メール作成は、よく送る相手ほどカスタムGPTに型を持たせる

仕事メールは、ChatGPTに下書きを任せやすい作業の一つです。

依頼、催促、謝罪、断り、お礼など、ある程度型のある文章は、ゼロから書くよりも、AIにたたき台を出してもらったほうが進めやすいことがあります。

ただし、メールで大事なのは、正しい日本語になっているかだけではありません。

相手との距離感、普段のやり取り、上司や取引先が求める温度感に合っているかも確認する必要があります。

私の場合、決まった上司など、メールを送る機会が多い相手向けには、専用のカスタムGPTを作っています。

毎回、「少し硬めにしてください」「結論から短くしてください」「この表現は避けてください」と指定するのは手間がかかります。

そこで、よく送る相手については、相手との関係性、文章の雰囲気、避けたい言い回しなどを型として持たせています。メールの内容を渡すだけで、普段のやり取りに近いトーンの下書きを作るための型として使っています。

ただし、カスタムGPTから出てきた文章を、そのまま送信しているわけではありません。

送信前には、次の点を確認します。

確認項目見ることそのまま送らない例
相手との距離感普段の関係に合う敬語か丁寧すぎて回りくどい
事実日付、期限、添付、依頼内容が正しいか未確認の日程が入っている
約束自分が対応できる範囲か「すぐ対応します」と言い切っている
温度感責める、謝りすぎる、押しすぎる表現がないか催促の圧が強い
次の行動相手が何をすればよいか分かるか返信してほしい内容が曖昧

カスタムGPTは、メールを自動で送るためのものではありません。

相手に合った下書きを出しやすくするための型です。最後に送るかどうかは、自分で判断します。

議事録は、意見と決定事項を分けて整理する

会議メモを議事録に整理するときも、ChatGPTは使いやすいです。

長いメモをそのまま読むよりも、議題、出た意見、決定事項、未決事項、アクションに分けられているほうが、あとから確認しやすくなります。

ただし、議事録では、発言、意見、決定事項が混ざらないように注意が必要です。

会議中に誰かが「こうしたほうがよさそう」と話しただけなのに、AIの出力では「実施することになった」と読める文章になることがあります。

文章としては自然でも、実際には決まっていない内容です。

そのため、議事録を頼むときは、最初から出力項目を分けています。

区分書いてよい内容確認すること
議題会議で扱ったテーマAIが勝手に議題名を広げていないか
出た意見発言やメモにある内容誰の発言か不明なら不明のままか
決定事項明確に決まったこと曖昧な話が決定に入っていないか
未決事項まだ決まっていないこと次回確認に回す内容として残っているか
アクション担当者と期限が明示されたもの推測で担当者や期限を補っていないか

この区分にしておくと、AIが作った議事録を全部同じ重さで読まなくて済みます。

特に見るのは、決定事項とアクションです。本当に決まったのか、担当者と期限が明記されていたのかは、元のメモや録音へ戻って確認します。

会議や打ち合わせをあとからAIで整理したいなら、AIボイスレコーダーのように録音と文字起こしを前提にした道具を使うと、議事録作成までの流れがかなり落ち着きます。ただし、録音してよい会議か、参加者への共有や社内ルールに問題がないかは、先に確認しておく必要があります。

依頼文としては、たとえば次のようにしています。

以下の会議メモを整理してください。発言されていない内容を推測で補完しないでください。議題、出た意見、決定事項、未決事項、アクションを分けてください。決定事項は、明確に決まったと分かるものだけを書いてください。担当者や期限が不明な場合は「不明」と書き、推測で入れないでください。

この指示で求めているのは、読みやすく要約することだけではありません。

本当に決まったことと、まだ意見の段階にあることを分けることです。

担当者や期限についても、メモに書かれていないなら、AIに空白を埋めさせません。分からないものは、不明や未確認のまま残します。

重要な議事録では、最後に自分で元のメモへ戻ります。

AIが作った表だけを見るのではなく、決定事項として書かれている内容が、会議中の発言やメモに本当に含まれていたかを確認します。

議事録の形式を固定しておくと、毎回同じ順番で確認できます。派手な使い方ではありませんが、確認の負担を減らすうえでは役立っています。

PowerPoint資料は、一度に完成させず段階を分ける

PowerPoint資料では、最初にAIへ複数の構成案を出させ、その中から選ぶ方法を試しました。

しかし、私にはあまり合いませんでした。

出てきた案はそれぞれ少しずつ考え方が違い、全体の一貫性が弱くなりました。案を比較するほど、どの軸で選べばよいのか分からなくなり、かえって時間がかかりました。

資料作成で必要なのは、スライドの枚数や見出しだけではありません。

誰に話すのか。聞き手は何に関心があるのか。どこまで前提を知っているのか。最初に何を共有し、どの順番なら納得しやすいのか。

この文脈が抜けると、見た目は資料らしくても、話す自分にとって使いにくいものになります。

そこで今は、資料作成を段階に分けています。

段階人間が出すものChatGPTに頼むこと自分で確認すること
1音声入力で話した背景や論点要点の整理自分の言いたいことが残っているか
2発表の目的構成案のたたき台順番に違和感がないか
3聞き手の関心や前提知識伝え方の調整相手に必要な説明量か
4採用した構成スライドごとの役割整理根拠や数字の元資料へ戻れるか
5最終確認した内容文言の整え、スライド化の下準備話す流れとして使えるか

最初から完成した資料を作らせるのではなく、まず自分の頭の中にある情報を出し、それを構成へ変えてもらいます。

そこへ聞き手の情報を追加し、順番を確認してから、自分の側でスライドへ落とし込んでいきます。

AIには整理を任せますが、何を伝え、どの順番で話すかは、自分の判断として残しています。

PowerPoint、Excel、VBA、文章作成で共通しているのは、「AIに任せること」と「人間が見ること」を先に分けることです。

作業ChatGPTに任せること人間が見ること
PowerPoint論点整理、構成案、見出し案伝える順番、相手に合わせた表現、最終スライド
Excel関数案、検算観点、入力条件の整理実データでの結果、例外、業務上の意味
VBA小さな処理案、テスト手順実行範囲、破壊的操作、結果の妥当性
文章たたき台、言い換え、抜け漏れ事実、責任ある表現、相手との関係

この表は、完成品を受け取るためというより、どこを確認すればよいかを先に見えるようにするためのものです。

文章校正は、読みやすさより先に意味を守る

文章校正も、ChatGPTの便利さを感じやすい作業です。

誤字脱字、表記ゆれ、読みにくい文、同じ表現の繰り返しなどを見つけてもらうだけでも助かります。

ただし、文章校正で一番怖いのは、読みやすくなる代わりに意味が変わることです。

私も、開発したツールのマニュアルをChatGPTに整えてもらったあと、確認が甘かったことで困った経験があります。

文章は自然になっていましたが、元の意味が変わっていました。

その資料が複数箇所に展開され、読んだ人が操作や条件を誤解しました。結果として、ツールがうまく動かないトラブルにつながりました。

この経験以降、文章校正を頼むときは、直してよい範囲と、変えてはいけない範囲を分けるようにしています。

項目ChatGPTに任せること人間が必ず見ること
誤字脱字表記ゆれ、脱字、重複の指摘修正後に別の意味になっていないか
読みやすさ長い文の分割、語尾の調整重要な条件が削られていないか
マニュアル手順の並べ替え、見出し案操作順、条件、注意点が正しいか
公開文書強すぎる言い切りの調整事実、数字、責任範囲が変わっていないか

校正文を見るときは、AIが修正した箇所だけでなく、修正後の全文を読みます。

特に、条件、数字、注意文、禁止事項、前提となる表現は、元の文章と見比べます。

文章が自然になったら終わりではありません。

読んだ人が、元の文章と同じ意味で理解できるかまで確認して、初めて仕事で使える状態になります。

Excelは、作りたいものを言葉にして小さく試す

Excelは、メールや文章校正とは少し扱いが違います。

メールや議事録は、表現を修正すれば使えることがあります。一方で、Excelの数式やVBAは、実際に動かなければ使えません。

私も、ChatGPTから提案された数式やVBAが動かなかった経験があります。

私自身、VBAについて十分な知識があるわけではありません。そのため、AIに作らせて終わりではなく、実際に試しながら確認する必要があります。

最初に大事なのは、「何を作りたいのか」を具体的に言葉にすることです。

「Excelを便利にしたい」だけでは、条件が広すぎます。

どの列を見るのか。どの条件で判定するのか。結果をどこへ出すのか。元データの形式は毎回同じなのか。エラーになった場合はどこで止めたいのか。

ここまで書くと、AIが出した数式やVBAが、自分の意図と合っているかを確認しやすくなります。

Excelでは、いきなり本番ファイルへ入れません。

まずは小さなサンプル表で試し、動いたら少しずつ条件を増やします。

うまく動かないときは、エラー文、試した数式、期待していた結果、実際に出た結果をChatGPTへ戻します。

AIに一度で作ってもらうというより、試行錯誤の相手にする感覚です。

自分に知識がない部分を任せるほど、最後は「本当に動いたか」「意図した結果になったか」を人間側で確認する必要があります。

仕事を頼む前に使っているテンプレート

ChatGPTへの依頼を安定させるには、毎回うまいプロンプトを考えるより、仕事の前提を整理するテンプレートを持っておくほうが使いやすいと感じています。

私が使っている型は、次の4つです。

テンプレート使う場面書くこと人間側に残す確認
仕様メモAIに作業を頼む前目的、完成状態、入力情報、制約、出力形式、確認項目目的と完成状態がずれていないか
確認チェックリストAIの出力を見る前事実、期限、数字、公開可否、個別事情、違和感確認項目に抜けがないか
作業依頼テンプレートメール、資料、要約、校正を頼むときAIに任せること、任せないこと、出力形式、修正してほしい観点仕事で使える状態か
調べ物の比較表候補や情報を比べるとき候補、良さそうな点、気になる点、確認先、自分の判断出典や公式情報へ戻れるか

テンプレートを分けているのは、仕事によって起こりやすい失敗が違うからです。

調べ物では、出典や公式情報へ戻れるかを見ます。

メールでは、相手に余計な約束をしていないかを見ます。

資料作成では、聞き手に合った順番になっているかを見ます。

文章校正では、元の意味が変わっていないかを見ます。

同じChatGPTへの依頼でも、最後に見る場所が違うなら、テンプレートも分けたほうが修正しやすくなります。

最初から4種類すべてを作る必要はありません。私なら、まず仕様メモから作ります。

仕様メモの項目書く内容
目的何のために使うものか
完成状態表、文章、チェックリスト、スライド構成など
入力情報自分が持っている前提、元資料、制約
AIに任せること整理、要約、比較、たたき台作成など
AIに任せないこと最終判断、送信、公開、契約、重要な事実確認
人間が確認すること事実、数字、意味、相手への伝わり方、実行結果

依頼文にすると、たとえば次のようになります。

完成品を作る前に、目的、前提、必要な要素、確認すべきリスクを分けてください。未確定の条件は推測で埋めず、不明として残してください。そのうえで、最初に作るべき最小版を提案してください。

テンプレートは、一度作って終わりではありません。

メールが硬すぎたら、避けたい表現を追加します。

議事録で意見と決定事項が混ざったら、出力項目を分けます。

資料作成で一貫性が崩れたら、聞き手や目的を先に入力するようにします。

文章校正で意味が変わったら、変えてはいけない条件を追加します。

失敗した内容をテンプレートへ戻していくほど、自分の仕事に合った依頼の型になっていきます。

ChatGPTに任せる範囲は、失敗するたびに更新する

ChatGPTを仕事で使ううえで、今の私が大事だと思っているのは、便利な使い方を増やすことだけではありません。

失敗したときに、自分のルールを更新することです。

メールの距離感が合わなかったら、カスタムGPTの前提を直します。

議事録で意見と決定事項が混ざったら、出力項目を分けます。

資料作成で構成がばらばらになったら、最初に聞き手と目的を入力します。

文章校正で意味が変わったら、変えてはいけない範囲を先に指定します。

Excelで動かなかったら、エラー文と期待する結果をChatGPTへ戻します。

AIに任せるのは、整理、比較、要約、たたき台作成です。

人間側に残すのは、最初に文脈を出すこと、仕事で使えるか確認すること、最後に採用するか判断することです。

この分担を決めておくと、ChatGPTを使うたびに「間違えるかもしれない」と身構えるだけではなく、「どこまでなら任せられるか」を少しずつ見つけられます。

仕事で使うAIは、全部を代わりに決めてもらう相手ではありません。

自分の頭の中にある情報を言葉にし、散らかった内容を整理してもらい、最後に自分で確認して仕事へ戻す。

今の私には、この流れがいちばん現実的なChatGPTの使い方です。

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この記事を書いた人

東証プライム上場企業で生成AIの開発に携わるAIエンジニアです。

仕事では最先端のAIを扱いながら、日常ではあまり活用できていないことに気づきました。

本当にAIは人生を変えるのか.

それを確かめるため、株式投資や副業、子どもとの遊びなどにAIを取り入れ、暮らしがどう変わるのかを実験・発信していきます。

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