AIに仕事を頼む前の仕様メモの作り方|プロンプトのずれを減らす6項目

AIに仕事を頼む前の仕様メモの作り方

※本記事はプロモーションを含みます。

AIに仕事を頼んでも、思っていたものと少し違う回答が返ってくることがあります。

プロンプトを具体的に書き直しても、表にしてほしかったのに文章で返ってきたり、整理だけを頼んだつもりが内容まで書き換えられたりします。

私も最初は、プロンプトの言葉が足りないことだけが原因だと思っていました。

ただ、実際に何度も使っていると、頼み方より前の段階で「何を作りたいのか」「どこまでAIに任せるのか」が自分の中で決まっていないことも、ずれの原因になっていました。

そこで最近は、AIに依頼する前に短い仕様メモを作っています。

仕様メモといっても、立派な設計書ではありません。目的や完成形、AIに任せないことを数行で整理するための小さなメモです。

ここでは、私が仕様メモに書いている6つの項目と、AIに任せる作業と人間が確認する部分の分け方を整理します。

  • プロンプトを書く前に確認したい前提
  • 仕様メモに残す6つの項目
  • AIに任せることと、人間が確認することの分け方
目次

AIへの依頼がずれるときは、プロンプトの前提を見直す

AIへの依頼がうまくいかないと、プロンプトの表現を何度も書き直したくなります。

もちろん、言葉の選び方で回答が変わることはあります。ただ、私の場合は、そもそも自分が求めている完成形を決めないまま頼んでいることがありました。

たとえば、「この情報を整理して」と依頼した場合です。

AIは何らかの形にまとめてくれますが、表にするのか、箇条書きにするのか、候補を比較するのかまでは分かりません。

出力を見てから「そういう整理ではなかった」と気づき、もう一度頼み直すことになります。

このずれは、プロンプトの文章だけを直しても残ることがあります。依頼する前に、作業の前提が自分の中で混ざっているからです。

そこで私は、AIにプロンプトを送る前に、短い仕様メモを書いています。

プロンプトを長くするためではありません。自分の中で混ざっている条件を、依頼前に分けておくためです。

最初に前提を分けておくと、回答がずれたときも、言葉の問題なのか、完成形の問題なのかを切り分けやすくなります。

仕様メモに書く6つの項目

仕様メモで最初に書いているのは、次の6項目です。

  • 目的
  • 完成状態
  • 入力する情報
  • AIに任せる作業
  • 制約条件
  • 人間側で確認すること

この6項目は、きれいな資料を作るためのものではありません。

AIに何を渡し、何を考えてもらい、どこから自分で確認するのかを分けるためのものです。

たとえば、調べ物ならAIに論点や比較軸を出してもらえます。一方で、出典が今も正しいか、金額や条件が変わっていないかは人間側で確認します。

この分け方をしないまま頼むと、AIの回答が自然なほど、そのまま使えそうに見えてしまいます。

仕様メモは、AIの回答を信じるか疑うかを決めるものではありません。AIを使う前に、自分が見る場所を先に決めておくための小さな外枠です。

この外枠があると、AIの出力を受け取ったあとも、どこを自分で見ればよいのかに戻りやすくなります。

調べ物で確認欄を残す流れは、ChatGPTで調べ物をするときに比較表で出典と判断を残す方法でも整理しています。

「目的」と「完成状態」を分けて書く

仕様メモでは、最初に「目的」と「完成状態」を分けます。

目的は、その作業をする理由です。完成状態は、何ができたら作業を終えられるかです。

たとえば、調べ物をするときでも、目的によって必要な回答は変わります。

  • 全体像をつかみたい
  • 複数の候補を比較したい
  • 注意点を洗い出したい
  • 人に説明するための材料を集めたい
  • 自分で判断するための確認項目を出したい

「分かりやすくまとめてください」だけでは、どこまでできれば完成なのかが分かりません。

私は、次のように短く書くことがあります。

目的:候補を選んでもらうのではなく、最初に確認すべき論点を見つける。
完成状態:候補、確認項目、不明点、自分で確認する出典が分かれた表になっている。

このように書いておくと、AIの回答がきれいかどうかではなく、自分の目的に合っているかで確認できます。

回答がずれたときも、「プロンプトの言い方が悪かった」とだけ考えずに、完成状態の書き方が曖昧だったのかを見直せます。

目的と完成状態を分けておくと、AIにもう一度頼み直すときも、修正したい場所を具体的に伝えやすくなります。

AIに渡す情報と、AIに考えてもらうことを分ける

仕様メモでは、こちらから渡す情報と、AIに考えてもらうことも分けます。

自分の目的、すでに調べた候補、使ってほしい資料は、こちらから渡す情報です。

一方で、比較軸、不足している論点、追加で確認すべきことは、AIに考えてもらう部分です。

私は、次のように整理しています。

項目内容
渡す情報自分の目的、調査済みの候補、使いたい条件や資料
AIに任せること比較軸を出す、不明点を洗い出す、確認項目を整理する
AIに任せないこと最終判断、公式情報の確認、契約や金額に関する判断

この分け方をしておくと、AIの回答を見たときに、自分が渡した情報を整理した部分なのか、AIが新しく補った部分なのかを確認しやすくなります。

AIが出した新しい情報は便利ですが、自分が渡した前提と同じように扱うのではなく、別途確認するものとして見ています。

特に、候補や比較軸はもっともらしく見えることがあります。知らないうちに前提が増えないように、仕様メモの段階で「渡す情報」と「考えてもらうこと」を分けておきます。

制約条件には「変更しないこと」も書いておく

AIには、してほしいことだけでなく、してほしくないことも伝えます。

仕様メモの制約条件には、「今回はやらないこと」や「変更してはいけないこと」を書きます。

たとえば、次のような内容です。

  • 公式情報で確認できないことは断定しない
  • 候補は3つまでにする
  • 料金や規約は未確認の情報として扱う
  • 投資や契約の最終判断はしない
  • 公開前に人間が文章を確認する
  • 既存ファイルや公開済みの記事は変更しない

特にAIコーディングでは、「この機能を修正して」と頼んだだけでも、関連する別のファイルまで変更されることがあります。

文章の編集でも、表現だけを整えてほしいのに、主張や事実まで変わってしまう場合があります。

そのため、変更してよい範囲だけでなく、残してほしい部分も書いておきます。

制約条件は、AIの動きを細かく縛るためではありません。あとから自分で変更内容を確認できる範囲に収めるためのものです。

Claude CodeやCodexに作業を頼むときの確認ルールは、Claude Code・Codexの作業範囲と差分確認ルールでも扱っています。

AIの出力後に人間が確認する項目を決める

AIに依頼する内容だけでなく、回答を受け取ったあとに自分が確認することも決めておきます。

私は、仕様メモの最後に次のような項目を書いています。

  • 事実が現在も正しいか
  • 元の出典まで戻れるか
  • 金額や期限に誤りがないか
  • 公開しても問題のない表現か
  • 自分の目的に合っているか
  • 読んだときに違和感がないか

AIの回答は、内容が整理されているほど、そのまま使えそうに見えます。

ただ、読みやすくまとまっていることと、内容が正しいことは別です。

特に、金額、契約、規約、投資、医療、法律に関係する内容は、AIの回答だけで決めず、元の情報を自分で確認します。

AIには整理を任せる。最終的に使えるかどうかは人間が確認する。

この分け方を、依頼前の仕様メモに残しておきます。

確認項目を別の型として残す方法は、AIで仕事の確認チェックリストを作る記事でも整理しています。

すぐに使える仕様メモのテンプレート

仕様メモは、毎回詳しく書く必要はありません。

項目が多すぎると、AIに依頼する前の準備だけで疲れてしまいます。

私が使っているのは、次のような短い形です。

目的:

完成状態:

入力する情報:

AIに任せる作業:

制約条件:

人間側で確認すること:

まずは、この6項目が埋まれば十分です。

すべてをきれいに書けないときは、空欄を残してもかまいません。

たとえば、調べ物を頼むなら、目的には「候補を決める前に確認項目を出す」、完成状態には「候補、確認項目、不明点、出典確認欄が分かれた表」と書けます。

文章の整理を頼むなら、制約条件に「事実関係は変えない」「断定を強めない」「公開前に人間が通読する」と残しておくこともできます。

用途別のテンプレートへ広げる考え方は、AIへの作業依頼テンプレートの作り方でも整理していきます。

小さな仕様メモから始める

仕様メモを作ったからといって、AIの出力が毎回思いどおりになるわけではありません。

それでも、回答がずれたときに、どこを直せばよいのかは見つけやすくなります。

完成形が違ったなら「完成状態」を見直す。AIが余計な変更をしたなら「制約条件」を追加する。確認漏れがあったなら「人間側で確認すること」に残す。

プロンプトだけを毎回書き直すのではなく、依頼の前提を少しずつ直していくイメージです。

うまくいかなかった依頼ほど、次の仕様メモに戻す材料になります。

最初から用途別の大きなテンプレートを作る必要はありません。

まずは、自分がよくAIに頼む作業を一つ選び、6項目を数行で書いてみる。

使ってみてずれたところがあれば、次の仕様メモに戻します。完成状態が曖昧だったのか、制約条件が足りなかったのか、人間側の確認項目を忘れていたのかを一つだけ直せば十分です。

その小さな仕様メモが、AIに任せる部分と、自分で判断する部分を分ける出発点になります。

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この記事を書いた人

東証プライム上場企業で生成AIの開発に携わるAIエンジニアです。

仕事では最先端のAIを扱いながら、日常ではあまり活用できていないことに気づきました。

本当にAIは人生を変えるのか.

それを確かめるため、株式投資や副業、子どもとの遊びなどにAIを取り入れ、暮らしがどう変わるのかを実験・発信していきます。

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