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転職にはメリットもデメリットもあります。やりたい仕事に近づける可能性がある一方で、年収、環境、人間関係、スキルなど、不安になることも少なくありません。私も、製造業で制御・データ解析に関わっていた状態から、特定の産業向けにデータ・制御の知見を活かせるAI開発へ転職しました。
結果として年収を下げない条件で内定を得られましたが、最初から「今より条件の良い会社に転職できる」と思っていたわけではありません。一時は、年収を下げてでも新しい職種に挑戦する覚悟をしていました。転職後も、すぐにすべてがうまくいったわけではありません。新しい職場では専門用語が分からず、会話についていくのに苦労したこともあります。それでも、仕事を続けるうちに少しずつ慣れていきました。
こうして振り返ると、転職は良い面だけを見て決めるものではないと感じています。この記事では、転職のメリットとデメリットを、一般論だけではなく私自身の転職活動も交えながら整理します。私はこうした比較をするときにAIを使って条件を並べることもありますが、AIが転職するかどうかを決めてくれるわけではありません。最後は、自分が何を変えたいのか、どのリスクなら受け入れられるのかを考えて判断する必要があります。
転職のメリット
転職のメリットは、環境を変えることで、今の職場では得にくい経験や条件に近づける可能性があることです。ただし、転職したからといって、仕事内容、年収、働き方、人間関係のすべてが良くなるわけではありません。私の場合は、職種を変えることで、前職で身につけたデータ・制御の知見をAI開発につなげられました。ここでは代表的なメリットを見ながら、私が転職活動の中でどう考えていたのかも書いていきます。
スキルが向上する
新しい職場では、これまでとは違うスキルが必要になります。覚えることが増えるのは大変ですが、それまで触れてこなかった分野を学ぶ機会にもなります。私もAI開発に関わる仕事へ移ったことで、前職ではあまり触れていなかった考え方や専門用語に向き合うことになりました。最初は分からない言葉も多く、転職したからといってすぐに仕事ができるようになったわけではありません。一方で、前職で身につけた制御やデータ解析の見方を土台にできたため、完全にゼロからのスタートでもありませんでした。
転職して新しいスキルを身につけたいのであれば、「何を新しく学ぶか」だけではなく、「今までの経験のどこを持っていけるか」も考えておくと、転職後のイメージを持ちやすくなると思います。
キャリアアップができる
キャリアアップというと、役職や年収が上がることをイメージしやすいですが、自分が進みたい方向に近い経験を積めるようになることも一つの変化だと思っています。私にとっては、前職で身につけた経験をAI開発の中で使えるようになったことが大きな変化でした。今の会社に残った場合に積める経験と、転職した場合に積めそうな経験を比べながら、どちらに進みたいのかを考えました。
もちろん、転職すれば自動的にキャリアアップするわけではありません。求人の職種名だけでは分からない部分もあるため、応募先でどのような仕事を任されるのか、その経験が自分の進みたい方向につながるのかを確認する必要があります。
収入が増加する
転職によって収入が増えるケースもあります。ただ、特に未経験に近い職種へ移る場合は、「転職すれば年収も上がる」と最初から考えない方がよいと思います。私も転職活動を始めたときは、収入増加を前提にしていませんでした。むしろ一時は、年収を下げてでも新しい職種へ挑戦する覚悟をしていました。配偶者・子どもがいる中での判断だったので、年収が下がった場合に生活へどの程度影響するのかも考える必要がありました。
最終的には、年収を下げない条件を提示してくれた企業から内定を得ることができました。これは私にとってかなり大きな安心材料でした。ただ、活動を始める前からその条件が分かっていたわけではありません。年収については、「未経験だから必ず下がる」「転職すれば上がる」と決めつけず、実際の求人、面接での評価、内定条件まで見て判断した方がよいと感じています。
悪い人間関係が解消される
人間関係に悩んでいる場合、職場を変えることで今の関係から離れられるというメリットはあります。毎日顔を合わせる相手や、仕事の進め方が変わるだけでも、働くときの負担は変わる可能性があります。ただし、転職先にも新しい人間関係があります。今の悩みから離れられることと、次の職場で人間関係に悩まなくなることは別です。人間関係を理由に転職を考えているのであれば、「今の職場の何がつらいのか」を一度分けて考えてみるとよいと思います。
特定の人との関係なのか、評価制度なのか、仕事の進め方なのか。原因によって、次の職場で確認したい条件も変わってきます。
ワークライフバランスが改善する
転職によって、自分に合った働き方に近づける場合もあります。ただし、「働きやすそう」というイメージだけで判断するのは少し怖いところです。働く時間、残業、リモート勤務の可否、休みの取りやすさなどは、会社だけでなく部署や仕事内容によっても違います。自分にとって働き方が重要な条件なのであれば、求人票を見るだけで終わらせず、面接や条件確認の中でできるだけ具体的に確認しておく必要があります。
私は転職条件を考えるとき、AIに項目を整理させることもあります。働き方、年収、仕事内容、学習負荷など、自分が気にしていることを一度並べておくと、求人を見るたびに判断基準が変わりにくくなります。AIに転職先を決めてもらうのではなく、自分が確認する項目を抜けにくくするために使うイメージです。
興味がある業種ややりがいのある職種を仕事にできる
興味のある仕事に近づけることも、転職を考える理由の一つです。私も、データや制御の知見を活かしながら、AI開発に関わる仕事へ進みたいという気持ちがありました。ただ、興味だけで仕事を選ぶと、入社後に求められるスキルや実際の役割とのギャップに苦労する可能性もあります。私の場合は、まったく接点のない場所へ移るのではなく、前職で経験した制御・データ解析と、次の仕事との接点を探しました。
新しい分野へ動きつつ、これまでの経験も一部使える場所を探す、いわゆるピボットするような転職です。この形にしたことで、「未経験だから何もありません」ではなく、「これまでの経験を次の仕事でどう使えるか」を面接でも説明しやすくなりました。
転職のデメリット
転職には、当然デメリットもあります。良い面だけを見て動いてしまうと、入社してから「思っていたのと違った」と感じる可能性があります。私も転職活動をするときは、メリットとデメリットを分け、AIにも比較できる形に整理させました。ただ、表にすれば答えが出るわけではありません。年収が下がる可能性をどこまで受け入れられるのか、新しい環境で一から覚える負担を受け入れられるのかなど、自分にとって重いデメリットが何なのかを考える必要があります。
新しい環境に馴染むのに時間がかかる
新しい会社に入ると、仕事の進め方、使われる言葉、社内のルール、評価されるポイントなど、いろいろなものが変わります。私も転職後、専門用語が分からず苦労しました。前職で仕事の経験があっても、会社や職種が変われば、それまで当たり前だった前提が通じないことがあります。最初は分からないことが多かったですが、仕事を続ける中で少しずつ慣れていきました。
転職前からすべて理解しておくことは難しいと思います。それでも、面接などで入社後にどのような仕事を任されるのか、どのような知識が必要になるのかを確認しておけば、想像とのズレを少し減らすことはできます。
ストレスが増える
転職活動中も、転職後も、それぞれ違ったストレスがあります。応募書類を作り、面接の準備をし、不採用になればまた次の企業を探す。現職を続けながら進める場合は、そのための時間も必要です。私の転職活動も約6ヶ月かかりました。応募したのは12社で、書類選考の通過率は2〜3割ほど。面接は10回弱で、最終面接まで進んだ企業は3社でした。こうして数字にすると、応募してすぐに転職先が決まったわけではありません。
転職活動が長くなると、「本当に転職できるのだろうか」と感じることもあります。私は応募状況や面接を振り返りながら進めました。何を聞かれたのか、どこがうまく説明できなかったのかなどを残しておくと、次に何を変えるかを考えやすくなります。
人間関係の再構築が必要
転職すると、人間関係も一度作り直すことになります。前職では説明しなくても伝わっていたことが、新しい職場では伝わらないこともあります。仕事の進め方やコミュニケーションの取り方も違います。これは転職するときに少し不安だった部分です。一方で、環境が変わることで、それまでとは違う働き方や考え方を見ることもできます。私自身、新しい職場では分からないことを確認しながら、期待されている役割を理解することから始めました。
最初から全部できるように見せるよりも、何が分かっていて何が分からないのかを自分でも整理しながら進める方が、私には合っていたと思います。
年収が下がる可能性がある
年収が下がる可能性は、転職を考えるうえで無視しにくいデメリットです。特に職種を変える場合、前職で積み上げた経験が、そのまま次の会社でも同じように評価されるとは限りません。私も、転職活動を始めた時点では年収が下がることを覚悟していました。それでも新しい職種へ移りたいのか。その場合、どこまでなら年収が下がっても受け入れられるのか。ここは転職活動を進めながらかなり気にしていました。
結果的には、年収を下げない条件を提示してくれた企業から内定を得ることができました。そのときに意識していたのが、前職と次の仕事の接点を説明することです。制御・データ解析の経験を「前の仕事の経験」で終わらせず、次のAI開発でどう活かせるのかを伝えました。もちろん、これを説明すれば必ず年収を維持できるわけではありません。ただ、職種が変わるからといって自分の経験をすべてゼロとして扱うのではなく、どの部分なら次でも使えるのかを整理しておく意味はあると感じました。
退職金や企業年金などの条件が変わる
転職すると、退職金や企業年金など、長期的な待遇が変わる可能性があります。月給や年収に目が向きやすいですが、それだけでは転職前後の条件を比較しきれません。こうした制度は会社によって違うため、転職を決める前に条件通知や制度説明など、自分が確認できる情報を見ておく必要があります。年収だけではなく、長く働いた場合にどうなるのかも含めて確認しておく方が、後から「見ていなかった」となりにくいと思います。
AI業界への転職の特有のメリット
AI関連の仕事には、ほかの職種への転職とは少し違う魅力もあります。ただ、「AI業界」という言葉だけを見ると範囲がかなり広く、会社や職種によって仕事内容は大きく違います。私自身も、「AIに関わる仕事なら何でもよい」と考えたのではなく、自分の制御・データ解析の経験との接点がある仕事を探しました。
高い需要と成長性
AIを使った業務やサービスが注目されていることもあり、AI関連の求人を目にする機会はあります。ただ、AIに関わる人材への需要があることと、自分がその求人に採用されることは別の話です。求人ごとに求められるスキルや経験も違います。「AI分野だから将来性がありそう」と考えるだけではなく、実際の求人を見て、自分の経験とどこに接点があるのかを確認する必要があります。
高い給与水準
AI関連職種の求人を見ると、高い年収が提示されているものもあります。一方で、求人に掲載されている年収の上限が、そのまま自分に提示されるとは限りません。経験、担当する仕事、求められるスキルなどによって条件は変わります。私の場合は結果として年収を維持することができましたが、「AI関連職種へ移れば年収も上がる」と考えていたわけではありません。特に職種転換を考えている場合は、仕事内容と同時に、どの経験が評価されるのかも確認する必要があります。
最先端技術に触れる機会が多い
AI関連の仕事では、新しい技術やツールについて学ぶ場面があります。これは面白いところでもありますが、私にとっては負担になる部分もありました。転職後には分からない専門用語があり、そのたびに調べながら仕事を進めることもありました。最初からすべて分かっている必要はありませんでしたが、知らないことが出てきたときに、その都度調べたり学び直したりする必要はあります。新しいものに触れられることをメリットと感じるか、学び続けることを負担に感じるか。このあたりも、実際に働くことを考えるうえでは見ておきたい部分です。
柔軟な働き方ができる
AI関連職種でも、会社や仕事内容によっては柔軟な働き方ができる求人があります。ただし、AI関連の仕事だから働き方も自由だとは限りません。開発だけで完結する仕事もあれば、顧客とのやり取りや現場との調整が必要な仕事もあります。働き方を重視する場合は、「AI関連職種だから」というイメージで判断するのではなく、自分が応募する会社や部署の実態を確認する必要があります。
AI業界への転職の特有のデメリット
AI関連職種には魅力がありますが、職種を変えて入る場合には難しさもあります。私自身の転職活動でも、すべての企業で順調に選考が進んだわけではありません。特に感じたのは、これまでの経験と応募先の仕事が離れすぎていると、自分をどう評価してもらうかが難しくなることでした。
競争の激しさ
AI関連職種へ応募する場合、自分より直接的な経験を持つ応募者と比較される可能性があります。私の転職活動でも、書類選考の通過率は2〜3割ほどでした。応募した12社のうち、多くは書類選考で不採用になっています。面接は10回弱、最終面接まで進んだ企業は3社でした。この結果を見ると、職種を変えようと思って応募すれば、そのまま簡単に転職できるというものではありませんでした。
一方で、これまでの経験との接点を説明しやすい求人では、選考でも話を組み立てやすくなりました。私の場合は、制御・データ解析という前職の経験を残しながらAI開発へ動く形を考えたことが、転職活動を進めるうえで重要だったと感じています。
常に変化する技術に対応する必要性
AI関連の仕事では、学んだことだけでずっと仕事を続けられるとは限りません。私も転職後、分からない専門用語や新しい考え方に何度も出会いました。最初は分からないこと自体に戸惑いましたが、少しずつ調べ方や周囲との会話にも慣れていきました。だからといって、常に最新技術をすべて追い続けなければならない、とまで考える必要はないと思っています。それでも、自分の仕事に必要な範囲では、知らないことを調べたり学び直したりする場面があります。
この学習負荷をどう感じるかも、AI関連職種への転職を考えるときの判断材料の一つです。
メリットとデメリットを比べ、自分の条件で判断する
転職には、スキルを広げたり、自分が進みたい仕事に近づいたり、働く条件を変えられたりする可能性があります。その一方で、新しい環境への適応、転職活動そのものの負担、年収が下がる可能性、制度の変化など、動いてみないと分からない部分もあります。私の場合は、製造業での制御・データ解析から、特定の産業向けにその知見を活かせるAI開発へ職種を変えました。転職活動には約6ヶ月かかり、応募12社、書類選考通過率2〜3割、面接10回弱、最終面接まで進んだ企業は3社でした。
最終的には年収を下げない条件で内定を得ることができましたが、転職活動を始めた時点では、年収が下がる可能性も覚悟していました。転職後も、専門用語が分からず戸惑うところからのスタートでした。それでも、仕事を続ける中で少しずつ慣れていきました。振り返ってみると、私にとって重要だったのは、「未経験だからゼロからやり直す」と考えなかったことです。前職で経験した制御・データ解析と、次にやりたいAI開発との間にどんな接点があるのかを探しました。職種を変えながらも、これまで積み上げたものを使える場所を探した形です。
メリットとデメリットを考えるとき、私はAIに条件を比較できるよう整理させることもあります。ただし、AIが「転職した方がいい」「この会社に行くべき」と決めてくれるわけではありません。自分が転職で変えたいことは何なのか。逆に、年収や働き方など、できるだけ守りたい条件は何なのか。そして、どの程度のリスクなら受け入れられるのか。そこまで整理したうえで、実際の求人や面接、内定条件を見ながら、自分で判断することが大切だと感じています。

