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未経験転職で志望動機を書くとき、私が最初に困ったのは、「熱意はあるけれど、何を書けば伝わるのか分からない」ということでした。私の場合、前職は製造業で、制御やデータ解析に関わっていました。そこからAI開発に近い仕事へ転職しようと考えたのですが、当然ながらAI開発そのものの実務経験があったわけではありません。その状態で「AIに興味があります」「AIの仕事に挑戦したいです」と書いても、どうしても弱い。
未経験だからこそ、なぜその職種を目指すのか、これまでの経験と何がつながっているのか、足りない部分に対して何を準備しているのかまで説明する必要があると感じました。私の転職活動は約6ヶ月。応募した企業は12社で、書類選考の通過率は2〜3割ほどでした。面接はトータルで10回弱、最終面接まで進んだ企業は3社です。数字だけ見れば、志望動機をきれいに書けば簡単に通過できた、という転職活動ではありません。
むしろ、書類で落ちるたびに「自分の経験と求人の接点が弱かったのか」「接点はあるのに文章で伝えられていなかったのか」を考え、応募先ごとに志望動機を少しずつ見直していきました。その中で使った考え方の一つが、未経験転職で意識していた「ピボット戦略」です。
業界も職種もこれまでとまったく関係のない場所へ一気に移るのではなく、これまで持っている経験のどこかを次の仕事につなげる。私はこの考え方を、求人選びだけでなく志望動機の組み立てにも使いました。AIにも、志望動機のたたき台を作ったり、材料を整理したりするところは手伝ってもらいました。ただ、AIが作った文章をそのまま提出したわけではありません。最後は、自分が実際にやってきたことと求人票を見比べて、「これは本当に自分が言えることか」「面接で聞かれても説明できるか」を確認しながら直しています。
この記事では、未経験からAI関連職種を目指した私が、志望動機をどのように組み立てていったのかを整理します。
志望動機書が必要な理由
私にとって志望動機書は、文章をきれいに見せるための書類ではありませんでした。未経験転職では、職務経歴書だけを見ると「これまで何をしてきた人なのか」は分かっても、「なぜ次にその仕事へ進もうとしているのか」までは伝わりにくいからです。私の場合も、職務経歴だけを並べれば、製造業で制御・データ解析に関わってきた人です。そこからAI開発へ進みたいと言っても、その間を説明しなければ、読み手からすれば「なぜ突然AIなのか」となります。
そこで志望動機では、「これまで何をしてきたのか」「そこから、なぜ次の仕事に興味を持ったのか」「未経験部分をどう補おうとしているのか」「なぜその企業を選んだのか」をつなげて書くようにしました。未経験であることを隠したり、自分を経験者のように大きく見せたりすることが目的ではありません。未経験であることは前提として、その中でもどこなら前職の経験を持ち込めるのか、足りない部分に対して何をしてきたのかを説明する。
私の場合は、書き始める前に材料を4つに分けると整理しやすくなりました。転職したい理由、希望職種を選んだ理由、準備してきたこと、その企業を選ぶ理由です。最初から一つの文章にしようとすると、これらが混ざってしまいます。私自身、熱意を詰め込もうとするほど、逆に何を伝えたいのか分かりにくくなっていました。
キャリアを真剣に考えたことを伝える
未経験職種へ転職するとき、私がまず説明しなければならないと思ったのが「なぜ今、その仕事を目指すのか」でした。AIが注目されているから。将来性がありそうだから。新しい仕事に挑戦したいから。こうした気持ちがまったくなかったわけではありません。ただ、それだけでは自分がAI開発へ進む理由として弱いと感じました。そこで、前職までさかのぼって考えました。私は製造業で制御やデータ解析に関わっていました。その中で、データを見ながら課題を考え、技術でどう解決するかを考える経験をしてきました。
そこから、これまで持っているデータ・制御の知見を使いながら、AIを使った開発に関わりたいという方向へ整理していきました。転職後に進んだのも、特定の産業向けに、これまでのデータ・制御の知見を活かせるAI開発です。こうして過去から順番に並べてみると、「突然AIをやりたくなった」のではなく、自分の中では前職から続いている部分がありました。この接続を志望動機の中で説明することを意識しました。
もちろん、転職を考えるきっかけには現職への不満が含まれることもあります。ただ、それだけで終わってしまうと、「では次に何をしたいのか」が見えません。そのため私は、辞めたい理由を説明するより、「今までの経験を次にどう使いたいか」に重心を置きました。
ポテンシャルのアピール
未経験転職なので、AI開発の経験だけで経験者と比較されたら、当然ながら持っている材料は多くありません。だからといって、できないことをできるように書くのも違います。私が意識したのは、「今までの経験から持ち込めるもの」と「足りない部分を補うためにやったこと」を分けて書くことでした。準備としては、基礎情報技術者資格を取得し、オンラインAIコースも受講しました。ただ、これらを書いたからといって、「AI開発の実務ができます」と言えるわけではありません。
私自身も、そこは分けて考えていました。資格取得やAIの学習は、即戦力であることを証明するものというより、「未経験で足りない部分があることを理解したうえで、自分なりに準備している」という材料として使いました。未経験転職では「やる気があります」だけでは説明しにくいところがあります。一方で、前職では何をしてきたのか。転職するために何を学んだのか。それを応募先でどうつなげたいのか。
ここまで並べると、少なくとも自分がどの方向へ進もうとしているのかは説明しやすくなりました。私の場合、ポテンシャルを大きく見せるというより、「今ある経験」と「これから埋める部分」を分けて書く感覚に近かったです。
他の応募者との差別化
AI関連の仕事を目指している人の中で、「AIを勉強しています」という話だけをしても、自分ならではの志望動機にはなりにくいと感じました。そこで私が使ったのが、前職の経験です。製造業で制御・データ解析に関わっていた経験は、AI開発そのものの経験ではありません。ただ、すべてが無関係なわけでもありませんでした。データを見ること。そのデータが生まれている背景を考えること。
現場の課題を整理し、技術側へつなげて考えること。こうした過去の経験の中から、応募先の仕事と接続できそうな部分を探しました。ここでも使ったのがピボット戦略です。私は、未経験転職だからといって、過去の経験を全部捨ててゼロから勝負する必要はないと考えました。職種は変える。ただし、これまで扱ってきたデータや制御、現場に関する知見まで捨てるわけではない。その知見を使えるAI開発を探す。
求人選びでそう考えたので、志望動機も同じように組み立てました。差別化というと、何か特別な実績が必要なように感じます。でも、私の場合はそうではありませんでした。これまで普通にやってきた仕事を、応募先の仕事との関係からもう一度捉え直す。その作業の方が重要でした。
志望動機書に盛り込むべき4つのポイント
実際に志望動機を組み立てるとき、私が材料として分けていたのは次の4つです。
- 転職したい理由
- なぜ未経験からその職種を目指すのか
- そのために準備してきたこと
- なぜその企業なのか
最初から文章を書くのではなく、この4つについて箇条書きで材料を出してから文章にしていきました。AIに相談するときも同じです。いきなり「この企業の志望動機を書いてください」と頼むより、この4つを分けて材料として渡した方が、自分でも内容を確認しやすくなりました。ただし、AIが整えた文章がそのまま正しいわけではありません。自分の経験と求人票を見比べながら直すところまでが、志望動機を作る作業だと考えていました。
転職したい理由
まず整理したのは、なぜ転職したいのかです。ここで現職への不満だけを書いてしまうと、転職そのものが目的になってしまいます。私の場合は、前職でデータや制御に関わる中で、もっとデータを活かした開発に近い仕事へ進みたいという気持ちがありました。今の環境から逃げたい、という説明ではなく、前職で積んできた経験を別の形で使いたい。こちらを中心に置きました。書くときに意識したのは、「何が嫌だから辞めるか」よりも、「次に何をやりたいか」です。
私はAIに転職理由を整理してもらうときも、現職への不満と次にやりたいことは分けました。材料を全部一度に入れると、文章としてはきれいでも、結局何を理由に転職するのか分からない内容になることがあります。AIに任せる前に、まず自分の中で材料を分ける。志望動機を作る中では、この作業がかなり重要でした。
なぜ未経験から希望している職種に転職したいのか
次に考えたのが、なぜわざわざ未経験の職種へ移りたいのかです。「AIに興味がある」「成長できそう」「将来性を感じる」これだけであれば、私でなくても書けます。そこで、ここでも前職との接点を探しました。私は製造業で制御・データ解析に関わっていました。転職先として考えたのは、そのデータ・制御の知見を活かせるAI開発です。完全に別の仕事へ飛ぶのではなく、自分の経験の一部を残したまま職種を変える。
これが、私が転職活動で使っていたピボット戦略でした。そして、この考え方は志望動機にもそのまま使えました。「未経験ですが頑張ります」ではなく、「AI開発そのものは未経験ですが、これまで扱ってきたデータ・制御の経験は、この仕事のこの部分につながると考えています」という形で説明するイメージです。実際に応募先を見ると、同じAI関連職種でも、自分の経験との距離はかなり違いました。
前職で扱ってきた内容と接点がある求人もあれば、かなり遠い求人もあります。接点がある場合は、その部分を志望動機の中心にします。反対に、接点が薄いものを無理につなげることは避けました。無理につなげると、文章だけを見るとそれらしくても、面接で具体的に聞かれたときに説明できません。志望動機を書く段階で、「ここは本当に自分の経験と言えるか」を確認するようにしていました。
AI業界に転職するために準備してきたこと
未経験である以上、前職の経験だけでは埋まらない部分もあります。そこで私は、基礎情報技術者資格を取得し、オンラインAIコースを受講しました。ただ、志望動機では資格名や学習歴を並べるだけにはしませんでした。「なぜそれを学んだのか」をセットで考えます。私の場合は、前職で扱っていたデータや制御の経験を、ITやAI開発の文脈につなげるための基礎を身につける、という位置づけでした。
そのため、「資格を持っています」「AIを勉強しました」で終わらせるのではなく、「未経験部分を補うために、ITの基礎やAIについて学んでいる」という流れで整理しました。ここでも、学習したことを必要以上に大きく見せないようにしました。基礎情報技術者資格を取ったことと、AI開発の実務ができることは同じではありません。オンラインAIコースを受講したことと、AI開発の経験があることも同じではありません。
私自身、そこは区別していました。志望動機の中では、「すでにできること」を増やして見せるのではなく、「足りない部分に対して何をしているか」を見せる材料として使いました。
なぜその企業なのか
4つ目が、その企業を選んだ理由です。ここは、応募先ごとに最も書き換えた部分でした。私は12社に応募しましたが、12社にまったく同じ志望動機を出すことは避けました。企業ごとに見ていたのは、事業内容、求人票に書かれている業務、扱うデータや技術、そして前職の経験との接点です。求人票に書いてある内容を、そのまま「魅力を感じました」と言い換えるだけでは、自分が応募する理由にはなりません。
そこで、「求人票のこの業務なら、自分のどの経験が使えそうか」という見方をしました。同じAI開発でも、仕事内容は同じではありません。自分の前職経験との距離も変わります。そのため、求人票の中から気になった業務を抜き出し、それに対して自分が話せる経験があるかを確認していました。もし接点がほとんど見つからない場合は、無理に志望動機を作るのではなく、そもそもその求人を自分が優先して応募するべきなのかも考えました。
この作業は時間がかかります。ただ、未経験転職だからこそ、どこにでも当てはまる志望動機より、「なぜ自分がこの会社のこの仕事を目指すのか」を一つでも見つける方が重要だと感じました。
応募先ごとに見直したチェック項目
文章を作ったあとも、そのまま提出せずに見直しました。私が確認していたのは、主に次のような点です。
- 転職理由が、現在の仕事への不満だけで終わっていないか
- 希望職種を選んだ理由が、前職の経験とつながっているか
- 準備してきたことと、応募先の仕事に関係があるか
- その企業を選ぶ理由が、別の企業にもそのまま使える文章になっていないか
- 面接で深掘りされても、自分の言葉で説明できるか
このチェックで引っかかる文章は、だいたい抽象的でした。「AIに興味があります」「成長したいです」「新しいことに挑戦したいです」こうした言葉自体が悪いわけではありません。ただ、そのままだと「なぜ私なのか」がありません。そこで、抽象的な言葉を書いたら、その後ろに自分の経験を置くようにしました。私の場合なら、製造業で制御・データ解析に関わってきたこと、そこでデータを扱ってきたこと、その経験をAI開発側へつなげたいと考えたことです。
抽象的な志望理由と、自分だけの経験。この二つをつなげることで、少しずつ自分の志望動機になっていきました。
実際に書いた志望動機の構成要素
志望動機を作るとき、最初から完成文を書こうとすると、私はうまくまとまりませんでした。熱意、前職の経験、勉強したこと、企業への興味を全部入れようとして、結局何を一番伝えたいのか分からなくなります。そこで、まず材料を分解するようにしました。AIを使うときも、経歴、希望職種、求人要件を渡して、最初は文章ではなく骨子を整理してもらいます。AIが出した文章には、一般的な表現もかなり混ざります。
そこから一般論を削り、自分が実際に経験してきた内容へ置き換える。私にとっては、AIに完成品を書いてもらうというより、この使い方の方が合っていました。
ありがちな書き方
最初に避けようと思ったのは、「AIに将来性を感じたため、未経験ですが挑戦したいです」というような志望動機です。私自身、AIに興味があるから転職を考えているので、気持ちとして間違っているわけではありません。ただ、これだけでは「なぜ私がAIなのか」がありません。「AIを学習しています」「新しい技術を身につけたいです」「成長したいです」これも同じです。どれも気持ちとしてはありますが、自分の経歴とつながっていなければ、私の志望動機にはなりません。
また、学習した内容を並べるだけの書き方も避けました。基礎情報技術者資格を取得した。オンラインAIコースを受講した。AIについて学んでいる。ここで終わってしまうと、履歴を並べているだけになります。私が伝えたかったのは、資格そのものより、「なぜその準備をしたのか」です。未経験部分がある。だから基礎を学ぶ。そのうえで、今までの制御・データ解析の経験を次の仕事につなげたい。
ここまでつなげることで、学習も志望動機の一部になりました。
改善した考え方
最終的には、次の順番で考えると整理しやすくなりました。
- 前職で扱ってきた経験:製造業での制御・データ解析
- 転職で進みたい方向:特定の産業向けのデータ・制御の知見を活かせるAI開発
- 準備したこと:基礎情報技術者資格の取得、オンラインAIコースの受講
- 企業ごとの調整:求人票の業務内容と、自分の経験の接点を確認
この順番なら、いきなり「AIをやりたい」から始まりません。まず過去があります。その過去から次の仕事へ進みたい理由があります。未経験部分があるので準備します。そして、その中でもなぜその企業なのかを考える。私が使っていたピボット戦略も、この組み立ての中に入っています。職種は変わります。でも、過去の経験まで全部リセットするわけではありません。自分がすでに持っている知見を次の仕事のどこで使えるのかを探す。
その接点を志望動機の中心に置きました。私の場合、「未経験ですが頑張ります」を中心にするより、「前職で得た知見を次の仕事のここで活かしたい」と考える方が、自分でも説明しやすくなりました。実際にやってきたことなので、面接で聞かれても自分の言葉で話せます。志望動機と面接を別々に考えるのではなく、「この文章を面接でそのまま掘られても答えられるか」と考えながら書くようになりました。
書類選考で見直したこと
私の書類選考通過率は2〜3割ほどです。決して、ほとんどの企業で書類が通ったわけではありません。むしろ落ちる方が多い転職活動でした。だから、書類で落ちるたびに志望動機も見直しました。自分の経験と求人の接点が薄かったのか。接点自体はあったけれど、うまく文章にできていなかったのか。そもそも企業側が求める経験と、自分の経験が合っていなかったのか。ここを分けて考えました。
私の感覚では、前職の知見との接点を説明しやすい求人の方が、面接へ進んだときにも話を組み立てやすかったです。一方で、接点の薄い求人に対して無理に志望動機を作ろうとすると、どうしても抽象的になります。こうした振り返りにもAIを使いました。ただし、「なぜ落ちたのか」をAIが正確に知っているわけではありません。企業から理由を聞いていない以上、本当の原因は分かりません。
そのためAIには、原因を決めてもらうのではなく、「求人票と自分の志望動機を比較して、接点が弱い部分を挙げて」「抽象的な表現を抜き出して」といった整理を手伝ってもらいました。書類選考で落ちると、それだけで自分が否定されたように感じやすいですが、私の場合は「次の応募で何を変えるか」に分解する方が転職活動を続けやすかったです。
AIで志望動機書を整えるときの注意点
志望動機は、AIに相談しやすい文章だと思います。経歴、希望職種、求人票を渡せば、構成を作ったり、文章を整えたりできます。私も実際に使いました。一方で、AIに最初から最後まで書かせる使い方はしませんでした。理由は、文章としては読みやすくても、自分の経験から少しずれた表現が混ざることがあるからです。未経験転職では、その少しのずれが面接で困る原因になります。
AIには完成文ではなく材料整理を頼む
私が使いやすかったのは、いきなり完成版を作らせるのではなく、最初に材料を整理してもらう方法です。前職でやってきたこと。応募先の仕事内容。準備してきたこと。転職したい理由。これらを分けてAIに渡し、どこに接点があるかを整理してもらいます。その結果を見ながら、自分が本当に話せるものだけを残します。AIが「この経験も活かせる」と書いていても、自分ではそう思えなければ使いません。
面接で説明できないものも外します。求人票から読み取れないことを、勝手に企業の特徴として書いている場合も残しません。AIは、私が見落としている接点を探したり、材料を並べ替えたりする道具として使う。そのくらいの距離感が、私には合っていました。
求人票の言葉へ寄せすぎない
もう一つ気をつけたのが、求人票の表現をそのまま使いすぎないことです。求人票をAIに渡すと、そこに書いてある言葉を使って、きれいな志望動機を作ってくれます。ただ、それだけだと求人票を言い換えただけの文章になってしまいます。たとえば、求人票に「データ活用」と書いてあったとします。そこで「貴社のデータ活用に魅力を感じました」と書くだけでは、自分との接点は分かりません。
私はそこに、前職でデータ解析に関わってきた経験をつなげます。求人票に書いてある言葉は入口にする。その後ろに、自分が実際にやってきたことを置く。この形に直していました。AIに求人票へ合わせてもらうことと、自分を求人票へ無理に合わせることは違います。ここを混同しないようにしました。
最後は自分で読んで違和感を確認する
最後に一番大事だったのは、自分で全文を読み直すことです。AIが作った文章は、かなり自然に見えることがあります。だからこそ、「読める文章になっているから大丈夫」と思ってしまいます。私は最後に、「これは本当に自分が言った言葉として違和感がないか」「少し経験を大きく書きすぎていないか」「応募先のことを理解したふりになっていないか」「面接でこの一文を聞かれたら答えられるか」
を確認しました。少しでも違和感があれば直します。特に、AIが経験をうまく言い換えてくれた結果、自分の実際の経験より一段大きく見える表現になっていることがあります。文章だけを見れば魅力的でも、面接で説明できないなら残さない方がいい。私はそう考えていました。志望動機は、書類選考のためだけの文章ではありません。その後の面接でも、なぜ転職したいのか、なぜこの仕事なのか、なぜこの企業なのかを聞かれます。
だから、AIを使って文章を整えたあとも、自分がその内容を話せる状態まで戻しておく必要があります。
未経験転職の志望動機は、過去と次の仕事をつなぐ文章だった
未経験転職の志望動機を書いていて、私が一番難しいと感じたのは、「未経験なのに、何をアピールすればいいのか」という部分でした。最初は、AIへの興味や学習したことを前に出せばいいと思っていました。ただ、転職活動を続ける中で、それだけでは足りないと感じるようになりました。私の場合、中心に置いたのは前職との接点です。製造業で制御・データ解析に関わってきた経験を、特定の産業向けのデータ・制御の知見を活かせるAI開発へつなげる。
職種は変えるけれど、これまで積み上げた経験を全部捨てるわけではない。転職活動で使っていたピボット戦略を、そのまま志望動機にも使いました。そして、未経験部分については、基礎情報技術者資格の取得やオンラインAIコースの受講を、準備してきたこととして整理しました。もちろん、これで簡単に転職できたわけではありません。転職活動は約6ヶ月。応募は12社。書類選考の通過率は2〜3割ほど。
面接は10回弱で、最終面接まで進んだ企業は3社でした。書類を出せば通る状況ではありませんでした。それでも、応募するたびに求人票と自分の経験を見比べ、志望動機を直していくことで、「自分は何を次の仕事へ持っていけるのか」は少しずつ整理できました。AIもその過程で使っています。ただ、AIに志望動機を書いてもらえば終わり、ではありません。経歴を整理する。求人票との接点を探す。
文章のたたき台を作る。抽象的になっている場所を見つける。こうした作業はAIに手伝ってもらえます。一方で、どの経験を自分の強みとして出すのか、本当にその企業へ応募したいのか、面接で何を自分の言葉として話すのか。ここは自分で判断する必要があります。私にとって志望動機書は、企業に熱意を伝えるだけの書類ではありませんでした。「なぜ今の仕事から次へ進みたいのか」「これまでの経験の何を残したいのか」
「未経験部分をどう補っていくのか」を、自分自身で整理するための文章でもありました。最初から完璧な志望動機を作れたわけではありません。応募して、書類で落ちて、面接で聞かれたことを振り返って、また直す。その繰り返しでした。未経験転職だからこそ、過去の経験をゼロとして扱うのではなく、次の仕事との接点を一つずつ探していく。私の場合は、その考え方が志望動機を組み立てる土台になりました。

