※本記事はプロモーションを含みます。
※本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品への勧誘や投資助言を目的とするものではありません。投資判断はご自身の判断と責任で行ってください。
カップウィズハンドルの短期ルックバック設定が強く出たあと、次に試したのがエリオット波動の第2波押し目を使うEW2ロジックでした。
ここで大事なのは、時系列です。私のAI株式投資ツールで最初に実装した買い判定はカップウィズハンドルです。EW2は、比較対象として後から追加した実験ロジックでした。開発履歴としても、まずカップウィズハンドル判定を作り、その後で比較用にEW2を追加しています。
この記事では、EW2を「カップウィズハンドルの代わりになる候補」としてではなく、性格の違う買い判定として検証した結果を整理します。結論として、EW2は悪くありませんでした。ただ、今回の条件ではカップウィズハンドル短期設定ほどは伸びませんでした。
EW2は後から追加した比較ロジックとして検証した
ここでいうEW2は、一般的なエリオット波動を完全に再現したものではありません。私のツール上で「第2波の押し目らしい形」として定義した簡易ロジックです。
EW2は、エリオット波動の第2波らしい押し目を拾い、その後の第3波上昇を狙う考え方です。カップウィズハンドルが上昇トレンド中のブレイクアウトに近いのに対して、EW2は一度下げたところを拾う逆張り寄りの性格があります。
以前からエリオット波動の考え方には興味がありました。昔、FXで試したかったロジックを、今のAI株式投資ツールならバックテスト付きで検証できます。そこで、カップウィズハンドルとは別の買い判定としてEW2も実装し、数字で比較できるようにしました。
ただ、EW2は名前だけで納得しやすいところがあります。エリオット波動という言葉は強く見えますし、第3波を狙うと聞くと、理屈としては魅力的です。だからこそ、感覚ではなく同じ期間、同じ資金管理、同じ最大保有数で比較する必要がありました。
今回そろえた前提は、Full期間2015〜2024、初期資本300万円、最大同時ポジション4、最大保有日数60日、fixed_risk_pct=0.03 です。入口だけを変えて、戦略の性格を比べられるようにしました。
fixed_risk_pct=0.03 は、1回のトレードで総資産の3%までをリスクとして許容する設定です。今回は、EW2とカップウィズハンドル短期設定を同じ資金管理条件で比較するため、この値をそろえました。
この記事では、買い判定ロジックの細かい日数やしきい値ではなく、同じ前提で比較したバックテスト結果を見ます。カップ短期設定側には+455%、+1,365万円という強い数字も出ますが、これは過去データ上の検証結果であり、将来の利益を保証するものではありません。
Claude Codeには、EW2単独でバックテストを回し、カップウィズハンドル短期設定と同じ前提で比較できるように依頼しました。入口ロジック以外はそろえ、取引数、PF、勝率、総リターン、MDDを同じ表で出すようにしています。
AIに任せたのは、実装と集計、そして比較表の整理です。私が見たのは、結果をどう読むかでした。EW2の数字だけを見るのではなく、すでに強く出ていたカップウィズハンドル短期設定と比べて、採用する理由があるのかを確認しました。
EW2単独は悪くないがカップ短期設定ほどの伸びはなかった
EW2単独のFull期間結果は、増加額+269万円、PF1.254、勝率49.5%、MDD-23.07%でした。初期資本300万円が最終資産569万円になる計算です。数字だけ見れば、完全に悪い戦略ではありません。
| 指標 | EW2単独 | カップ短期設定 |
|---|---|---|
| 期間 | 2015〜2024 Full | 2015〜2024 Full |
| 取引数 | 214件 | 166件 |
| PF | 1.254 | 2.377 |
| 勝率 | 49.5% | 60.2% |
| 総リターン | +89.76% | +455% |
| 増加額 | +269万円 | +1,365万円 |
| MDD | -23.07% | -20.68% |
EW2はプラスの結果でしたが、同じ条件で比べるとカップウィズハンドル短期設定との差はかなり大きく出ました。取引数はEW2の方が多いのに、PF、勝率、総リターンではカップ短期設定が上回っています。
ここで気をつけたいのは、EW2を「失敗」と書かないことです。+269万円という結果は、検証条件によっては十分意味があります。ランダムより良い可能性も過去の検証で見えています。ただ、最終採用候補を選ぶなら、より強く、よりMDDも抑えられていたカップ短期設定を優先したくなります。
比較記事で危ないのは、片方を持ち上げるためにもう片方を雑に切り捨てることです。今回のEW2は、使えないロジックではなく、今回のポートフォリオ条件ではカップ短期設定ほど優先度が上がらなかったロジックとして扱うのが近いです。
逆張り寄りのEW2と順張り寄りのカップは見ている局面が違った
EW2とカップウィズハンドルの一番大きな違いは、入る局面です。EW2は、第2波の押し目らしい場所を狙います。つまり、相場や銘柄が一度下がっている局面で、ここから第3波に入るかもしれないと見る考え方です。
一方で、カップウィズハンドルは、下げて戻って、少し休んでから上抜ける流れを見ます。こちらは、すでに一定の回復があり、ブレイクアウトを確認してから入る順張り寄りの性格があります。
同じ「買い判定」でも、EW2は押し目を拾うロジック、カップウィズハンドルは上抜けを確認するロジックとして見た方が自然です。この違いを無視すると、あとで組み合わせたときに何が起きたのかを読み違えます。
つまり、EW2は「下げたところから反発を狙う」見方で、カップウィズハンドルは「上抜けを確認してから乗る」見方です。同じ買い判定でも、見ている景色はかなり違います。
逆張り寄りのロジックは、うまく拾えれば早く入れます。ただし、下落が続くと損切りになりやすく、複数銘柄が同じタイミングで崩れることもあります。順張り寄りのロジックは、上抜けを確認してから入るぶん遅れる可能性がありますが、相場環境が悪い局面を避けやすい面もあります。
この性格の違いは、単独比較だけでは見えにくいです。EW2単独もカップ短期設定単独もプラスなら、両方使えばもっと良さそうに見えます。でも、実際には同じ4つのポジション枠を取り合うため、性格の違いがそのまま競合になります。
ランダムより強い可能性があっても採用優先度は別に考える
以前のEW2検証では、同じ出口条件や資金管理のまま、入口条件だけをランダムにした対照実験も行いました。そのとき、EW2は+3.4〜4.4σ程度の位置に出ていました。
σは、ランダムに売買した場合の結果からどれくらい離れているかを見る目安です。数字が大きいほど、ランダムでは出にくい結果だったと考えられます。つまり、EW2の入口には何らかの意味がある可能性は見えていました。
ただ、ここで判断を間違えそうになりました。統計的に意味がありそうなことと、最終的に採用することは同じではありません。採用するには、同じ資金枠の中で他のロジックより優先する理由が必要です。
買い判定を増やすと、単純にチャンスが増えるように見えますが、最大ポジション数が決まっている場合は枠の取り合いが起きます。今回のツールでは最大同時ポジション数が4なので、EW2を追加するとカップウィズハンドルが入れなくなる場面が出ます。
これは、AIに検証してもらう前の感覚では見落としやすいところでした。私はつい、良いロジックAと良いロジックBを足せば、さらに良い戦略Cになると考えたくなります。でも、実際の運用では資金枠、保有期間、損切り、相場環境が重なります。
採用優先度を見るときは、単独成績だけでなく、既存ロジックの良い取引を邪魔しないかまで確認する必要があります。EW2単独の検証は、その次の組み合わせ検証へ進むための前提になりました。
次に試したのは強いロジック同士の組み合わせだった
EW2単独の結果を見た時点では、まだ組み合わせに期待していました。カップ短期設定は強い。EW2も単独ではプラス。ならば、両方を使えばより多くのチャンスを拾えるのではないか。これは自然な発想です。
ただ、ここで一つ嫌な予感もありました。カップウィズハンドルは上昇の形を確認して入るロジックです。EW2は下落中の押し目を拾うロジックです。相場の見方が違うなら、同じタイミングで同じ資金枠を使うと、どちらかの良さを潰すかもしれません。
この時点での問いは、「EW2が良いか悪いか」ではなく、「カップウィズハンドルと一緒に使ったときに全体成績を良くするか」でした。システムトレードでは、単独で良いロジックでも、組み合わせると全体を悪くすることがあります。
次の記事では、この組み合わせ検証を整理します。結果は、直感とは少し違うものでした。強いロジック同士を足しても、必ず強くなるわけではないことが見えてきます。
EW2単独検証は、その次の結果を理解するために必要な記事です。EW2がまったくダメだったのか、それともカップウィズハンドルと混ぜたときに問題が出たのか。そこを分けて見ないと、買い判定の改善を感情で判断してしまいます。

