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AIに相談しながら改善している株式投資ツールで、前回はエリオット波動の買い判定を追加しました。
ただ、実際に画面で見てみるとシグナルとして wave2_complete や wave4_complete が表示されても、チャート上では「なぜその判定になったのか」が追いにくかったのです。
ここでいうEWは、Elliott Waveの略で、この記事ではエリオット波動の表示機能を指しています。wave2_complete は、ツール内部で使っている「2波が完了した可能性がある」という判定名です。wave4_complete は、「4波が完了し、次の5波を狙えるかもしれない」という判定名です。
ただし、チャート上に波が表示できるようになったからといって、その判定が正しいと決まったわけではありません。今回やったのは、買い判断を自動化することではなく、ツールが出した判定を人間が見返せるようにすることです。
Pivot価格(直近の高値・安値から見た基準価格)、3波目標、5波目標のような数字は出ます。でも、どこを1波として見ているのか、どこが2波なのか、4波完了ならどこから5波を狙っているのか。そこがわからないと、判断材料として扱いにくいままでした。
今回は、AI株式投資ツールのエリオット波動判定を、文字だけでなくチャート上の線と条件タブで確認できるようにした改善記録です。個別銘柄の推奨ではなく、AIが出した買い判定の根拠を人間が見返せる形にするための記録として書きます。
- エリオット波動の実績波を、チャート上のジグザグ線で表示できるようにした
- 必要なときだけエリオット波動の線を表示できるようにし、3波目標・5波目標・判定条件も同じ画面で確認できるようにした
- 未来側の想定波は破線にして、実績と予測を見た目で分けるようにした
エリオット波動の買い判定は、文字だけでは根拠を追いにくかった
前回の改善では、昔FX向けに作ったまま眠っていたエリオット波動の判定ロジックを、株式投資ツールの参考シグナルとして戻しました。2波完了後の3波狙い、4波完了後の5波狙いを候補として見られるようにした形です。
その背景は別の記事で整理しています。エリオット波動を万能な買いサインとして入れたのではなく、昔は有効性の検証まで進められなかったロジックを、今のAIコーディング環境でもう一度検証できる形へ戻したという位置づけです。

今回はその続きとして、判定そのものではなく、判定根拠の見え方を直しました。
画面に wave2_complete と出るだけでも、ツールとしては一応シグナルを返しています。ただ、私が実際に見たいのは、その文字列そのものではありません。この上昇を1波として見ているのか。この下落を2波として見ているのか。3波目標の数字は、どの値動きから計算されているのか。そこまで追えないと、結局チャートをもう一度自分で見直すことになります。
買い判定の文字だけが強く見えると、私は「ツールがそう言っているから」と受け取ってしまう怖さがあります。本当は、AIがどこを根拠にしたのかを見て、違和感があれば止まれる状態にしたいのです。
エリオット波動は、ただでさえ後からならきれいに数えやすい一方で、リアルタイムでは迷いやすい見方です。だからこそ、買い候補として表示するなら、根拠の線も一緒に見える必要がありました。ここを見えるようにしないままシグナルだけ増やすと、判断材料が増えたように見えて、実際には確認の負担だけが増えてしまいます。
チャートに波を描くには、価格だけでなく日付も必要だった
最初にClaude Codeへ伝えたのは、かなり素朴な依頼でした。エリオット波動の買い判定が出ても根拠が視覚的に分からないので、チャート画面で波が分かるようにしてほしい。必要なときだけ表示できるよう、オンオフもできるようにしてほしい。そういう内容です。
依頼内容を本文用に整理すると、次のような形です。
エリオット波動の判定結果として wave2_complete や wave4_complete が表示されていますが、チャート上でどの高値・安値を波として見ているのか分かりません。
まず、現在のチャート表示、シグナルAPI、エリオット波動判定ロジックを調査してください。
そのうえで、波の起点・1波・2波・3波目標・5波目標をチャート上に表示できるようにしてください。
実績として検出された波と、未来の予測波は見た目で区別してください。
AIはまず、今のチャート実装を調べました。ローソク足や移動平均線、出来高をどう描いているのか。すでにある表示オンオフ機能はどこにあるのか。チャート画面とシグナル取得の結果には何が入っているのか。エリオット波動シグナルに、チャートへ線を引くための日付情報があるのか。
ここで分かった大事なことは、チャートに波を描くには「価格」だけでなく「どの日付の価格か」が必要だということです。3波目標や5波目標の価格だけがあっても、チャート上のどこからどこへ線を引くのかは分かりません。
そこで、バックエンド側ではエリオット波動のシグナルに wave_points を追加する方針になりました。各ポイントに日付と価格を持たせ、wave2_complete なら波0、波1、波2の地点を返すようにします。APIで確認したときには、銘柄コード3436のシグナルで、2026年3月9日、5月14日、5月18日のように、波として結ぶ日付と価格が返ってきました。
この変更は、見た目としては小さく感じるかもしれません。でも、私にはかなり重要でした。波の線は、画面上の雰囲気で引くものではなく、ツールがどの時点の高値と安値を波として認識したかを表すものだからです。
つまり今回の改善は、エリオット波動を「判定結果」から「見返せる根拠」に変える作業でした。文字だけのシグナルを増やすのではなく、後から検証できる形でデータを渡す。そのために、日付と価格をセットで持たせる必要がありました。
AIには、実績波と目標価格を必要なときだけ表示できる形を依頼した
フロントエンド側では、エリオット波動のポイントを受け取り、チャート上に黄色〜オレンジ系のジグザグ線として表示するようになりました。あわせて、3波目標と5波目標は水平線で表示する形です。
ここで欲しかったのは、常に画面をにぎやかにすることではありません。ローソク足、移動平均線、出来高、ピボット、手書き線など、チャート画面にはすでにいろいろな情報があります。そこへエリオット波動まで常時出すと、見たい情報が埋もれてしまうかもしれません。
そのため、ツールバーには「EW波形」という切り替えボタンを追加し、必要なときだけ表示できるようにしました。普段はローソク足や移動平均線を見て、エリオット波動の根拠を確認したいときだけオンにする使い方です。
チャート上に波が出ると、文字だけのときとは見え方が変わります。たとえば2波完了のシグナルなら、どこから上がって、どこまで押し戻して、そこから次の3波を想定しているのかを、線として追えるようになります。数字だけを読むより、私の感覚ではかなり確認しやすくなりました。
ただ、線が表示されるようになっても、それは買い判断を自動化したという意味ではありません。自分で支持線やフィボナッチを引けるようにしたときと同じで、チャート上の表示はあくまで確認を助ける補助です。線があるから正しいのではなく、線を見て「この認識で違和感がないか」を考えるためのものです。
チャート上に自分の見立てを残す流れは、手書き線の改善記事でも扱いました。今回は手で引いた線ではなくAIが検出した波ですが、どちらも「あとから根拠を見返すための画面づくり」としてつながっています。

自動で出た波形も、自分で引いた線も、最終的には同じチャート上で確認できるように育てていきたいです。
EW条件タブで判定理由を確認できるようにした
エリオット波動の線が出るようになると、今度は別の課題が見えました。チャート上では波形を確認できますが、買い判定条件の詳細は、カップウィズハンドルと同じようには見られない状態だったのです。
そこで次に、シグナルパネルへEW条件タブを追加することにしました。Claude Codeには、チャート画面にカップウィズハンドルと同じように、EWの買い判定条件をタブで表示してほしいと依頼しました。
既存のSignalPanelには、カップウィズハンドルの判定情報やPivot価格、注文ラインなどが表示されています。そこへタブ状態を追加し、「カップ条件」と「EW条件」を切り替えられるようにしました。EWシグナルがある銘柄ではEW条件を初期表示にし、カップのシグナルだけがある銘柄ではカップ条件だけを表示する形です。
EW条件タブでは、波の位置、狙っている波、Pivot価格、3波目標、5波目標、目標価格までの上昇率を確認できるようにしました。wave2_complete なら「2波完了から3波狙い」、wave4_complete なら「4波完了から5波狙い」として読めるようにしています。
このタブがあると、線だけを見て終わらず、条件も同じ画面で確認できます。たとえば、チャート上のジグザグ線を見て「たしかに2波っぽい」と感じても、Pivot価格や目標価格が自分の想定と離れていれば、そこで立ち止まれます。逆に、線だけでは分かりにくいときも、タブの数字を見ることで、ツールが何を基準にしているかを確認できます。
カップウィズハンドルの買いタイミングを改善したときも、候補が出た理由を分解して見られるようにすることが大事でした。エリオット波動でも同じで、名前のあるシグナルを表示するだけでは足りません。

買い候補を増やすほど、なぜ出たのかを画面上で説明できるようにしておきたいです。
予測波は破線で表示した
実績として検出された波が表示できるようになると、次に気になったのは、エリオット波動らしい「この先の波」の見せ方でした。エリオット波動は、ここまでの波をもとに、次の3波や5波を考える見方でもあります。そこで、第3波以降も予測値として線を引けるかを追加で依頼しました。
ただし、ここはかなり慎重にしたいところでした。検出済みの波と、これから起きるかもしれない波を同じ実線で描いてしまうと、未来の値動きまで確定しているように見えてしまいます。チャートに線があるだけで、人はその方向へ引っ張られやすいからです。
予測線は便利ですが、見せ方を間違えると「そこまで上がるはず」と思い込む材料にもなります。未来の株価は決まっていません。エリオット波動の計算上の目安が出ているだけで、そこへ到達する保証はありません。
そこで、実績波は黄色〜オレンジ系の実線、予測波は黄色〜オレンジ系の破線として分ける方針にしました。wave2_complete の場合は、2波完了後にW3、W4、W5の想定点を作ります。wave4_complete の場合は、4波完了後のW5を想定します。技術的には、予測用の波の点をバックエンドから返し、画面側ではそれを破線として描くようにしました。
実線と破線を分けたことで、「ここまでは実際の値動き」「ここから先は計算上の想定」という違いを画面上で区別できるようになりました。これは、投資ツールとしてかなり大事な安全設計だと感じています。
- 実績波は、ツールが実際のチャートから検出した日付と価格を結ぶ。
- 予測波は、エリオット波動の計算上の目安として破線で表示する。
- 目標価格線は、売買を保証する線ではなく、検証用の参考値として扱う。
AIに任せたのは、予測点を計算し、チャートへ分かりやすく表示する部分です。一方で、人間側で残した判断は、破線を「未来の予定表」のように扱わないことでした。線が見えるからこそ、むしろ自分の目で疑えるようにしたいのです。
表示できたことで、逆に気をつける点も見えた
チャート上に線が出ると、それだけで正しそうに見えてしまいます。実績波と予測波を同じ見た目で出すと、まだ起きていない値動きまで確定したように受け取ってしまうかもしれません。
シグナルが増えるほど、検証前でも信じたくなる場面があります。だから今回は、表示できたことを完成ではなく、これから有効性を確認するための準備として扱います。
表示できたエリオット波動は、これから検証する判断材料として扱いたい
今回の一連の改善で、エリオット波動の買い判定はかなり見やすくなりました。チャート上には実績波が表示され、3波目標と5波目標も水平線で見えます。必要なときだけEW波形をオンにでき、シグナルパネルではカップ条件とEW条件を切り替えられます。さらに、未来側の想定波は破線で表示されるようになりました。
確認として、バックエンド側のテストは153件通過し、画面側の型チェックもエラーなしでした。画面へ出すためのデータ構造、型定義、表示切り替えは、ひとまず壊れていない状態まで持っていけています。
ただし、ここで安心してはいけません。表示できることと、投資判断として有効なことは別です。実際に確認したいのは、表示されたエリオット波動がチャート感覚と合っているか、2波完了後に本当に3波として伸びやすいのか、4波完了後の5波狙いがどのくらい機能するのか、予測線が楽観的すぎないかです。
特に怖いのは、見えるようになったことで、検証前なのに信じやすくなることです。線があり、タブがあり、目標価格があると、ツールがかなり分かっているように見えます。でも今はまだ、候補を見返しやすくした段階です。
次に必要なのは、バックテストや実際の候補メモとの照合です。カップウィズハンドルと同時に出たときの結果はどうか。エリオット波動だけで出た候補はどうだったか。目標価格へ向かう前に崩れたパターンはどのくらいあるか。そういう確認をしないと、表示の便利さだけで判断が前に進んでしまいます。
買い条件を感覚だけで直さないためのバックテスト画面も、別記事で整理しています。今回のエリオット波動表示も、最終的には同じように、候補が出た理由と結果を並べて見られるようにしたいです。
AIに任せたいのは、買い判断そのものではなく、根拠を見える場所に出し、あとから検証できる形に整えることです。今回のエリオット波動のチャート表示は、そのための一歩でした。
昔は、エリオット波動の判定ロジックを作れても、有効性の検証まで進められませんでした。今回はAIコーディングのおかげで、判定を戻すだけでなく、根拠を線で見せ、条件をタブで確認し、予測と実績を分けるところまで進められました。まだ完成ではありませんが、昔止まっていた場所から、ようやく検証できる道具に近づいてきた感覚があります。

