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AIで株式投資ツールを作っていると、買い候補を探す機能ばかり増やしたくなります。
買いタイミングを見つける。候補銘柄を一覧にする。売買履歴を残す。どれも便利なのですが、使い続けるほど別の怖さも出てきました。候補が増えるほど、気づかないうちに保有銘柄を増やしすぎる可能性があるからです。
「この銘柄も良さそう」「前回より条件がそろっているかも」と思っているうちに、1銘柄あたりの金額、現金比率、月間損失の上限を毎回きちんと見られなくなる。私の場合、ここを感覚で処理し始めると、投資ルールを作った意味が薄れてしまうと感じました。
今回は、AI株式投資ツールに「現在のポジション」と「リスク管理ルールの自動チェック」を追加した実験ログです。個別銘柄の推奨や投資助言ではなく、私が自分で決めたルールから外れていないかを確認しやすくするための道具作りとして書きます。
- 保有銘柄と投資額を一覧で見られる画面を追加する
- 1銘柄あたりの投資額が50万円を超えていないか確認する
- 保有銘柄数、現金比率、月間損失を同じ画面で見る
- 相場フィルタとドローダウンも危険サインとして表示する
買う前より保有中のリスク管理が抜けやすかった
株式投資ツールを作り始めたころは、「どの銘柄を買い候補にするか」に意識が向いていました。チャートの形、テクニカル指標、買いタイミングの表示などを整えれば、少なくとも候補探しの手間は減らせると思っていたからです。
ただ、実際に機能を増やしていくと、買う前のチェックだけでは足りないと感じました。買った後に、今の保有額が大きくなりすぎていないか、現金を残せているか、損失が続いている月に新しく買おうとしていないか。ここを見ないまま次の候補へ進むと、ツールが便利になるほどリスクも見落としやすくなります。
私が欲しかったのは、買い候補を増やす機能ではなく、買いすぎる前に一度止まれる画面でした。候補銘柄が良さそうに見えても、すでに4銘柄持っているなら次の買いは保留する。現金比率が下がっているなら、チャンスに見えても一度待つ。そういう判断を、毎回同じ場所で確認できるようにしたかったです。
リスク管理の前提は、以前にAIで株式投資戦略のリスク管理を考えてみた記事で整理しています。この記事ではその考え方を、頭の中のルールではなく、実際の画面で確認できる形に落とし込んでいきます。
自動チェックに入れた株式投資ルール
今回の自動チェックに入れたのは、元本300万円を前提にした私のリスク管理ルールです。中心に置いたのは、1回の負けで大きく資産を減らさないことでした。総資産の2パーセントを1回の許容損失とし、許容損失額は6万円。損切り率を12パーセントと置くと、1銘柄あたりの投資額は約50万円になります。
この50万円という数字は、「この銘柄が魅力的だから多めに買う」という感覚を止めるための線です。もちろん、将来ルールを変える可能性はあります。それでも、今の段階では、銘柄ごとに都合よく上限を動かさないことを優先しました。
保有銘柄数は3〜4銘柄を基本にしました。成長株は同じタイミングで下がりやすいと考えているので、5銘柄以上に増やすと、分散しているつもりでも同じ方向のリスクを抱えすぎる可能性があります。現金比率は30〜40パーセントを残す前提にしました。フルポジションにしないことで、下落時に何もできない状態を避けたいからです。
チェック項目は、1銘柄あたりの投資額、保有銘柄数、現金比率、月間損失、相場フィルタ、ドローダウンの6つにしました。月間損失がマイナス10パーセントを超えたら新規取引を止める。日経225のSMA25がSMA75を下回るような地合いでは慎重に見る。ドローダウンがマイナス15パーセントなら縮小を考え、マイナス20パーセントなら全停止を検討する。こうした線を画面に出すようにしました。
- 1銘柄あたりの投資額は約50万円以内にする
- 保有銘柄数は4銘柄以内を基本にする
- 現金比率は30〜40パーセントを目安に残す
- 月間損失、相場環境、ドローダウンを新規買いの前に見る
AIに任せたのは判定画面で、数字の線引きは自分で決めた
今回AIに依頼したのは、「現在のポジション」画面の追加と、リスク管理ルールの判定表示です。ホーム画面にボタンを追加し、そこから保有銘柄、投資額、現金残高、現金比率、確定損益、リスクチェック結果を見られるようにしてもらいました。
一方で、どの数字を危険ラインにするかはAIに丸投げしませんでした。元本300万円、1回の許容損失2パーセント、損切り率12パーセント、現金比率30〜40パーセント、月間損失マイナス10パーセントという前提は、私の投資ルールとして先に渡しています。
AIに任せる部分と、人間側で決める部分を分けたことが、今回いちばん大事でした。AIには画面構成、データの取り回し、ステータス表示、ルール設定を変更しやすい実装を任せました。でも、投資額の上限や停止ラインまでAIのおすすめに寄せてしまうと、自分のリスク許容度とズレる可能性があります。
実装面でありがたかったのは、ルールをコードの中に直接埋め込むのではなく、後から変更しやすい形にしてくれたことです。今は50万円を上限にしていますが、元本や損切り率を見直したら、この数字も変わります。そのたびに画面全体を作り直すのではなく、設定を変えれば判定も変わる形にしておくほうが、長く使いやすいと感じました。
株式投資ツール全体の実装の流れは、AIで株式投資ツールを作ってもらったまとめ記事に寄せています。ここでは、その中でも「保有した後の確認」に絞って、ツールの役割を一段追加した形です。
保有銘柄チェック画面で見えるようになったこと
実装後は、ホーム画面の「現在のポジション」ボタンから、保有状況をまとめて確認できるようになりました。画面には総投資額、現金残高、現金比率、これまでの確定損益、現在保有している銘柄、リスク管理ルールのチェック結果が表示されます。
チェック結果は、問題なし、注意、危険のように状態が分かる表示になりました。数字だけが並んでいると、私はつい「まあ大丈夫そう」と流してしまいます。でも、1銘柄あたりの投資額が50万円を超えている、現金比率が下がっている、月間損失が大きくなっている、といった状態が目立つと、次の買い候補を見る前に止まりやすくなります。
画面で見える化したことで、リスク管理が「思い出したときに確認するもの」から「買う前に通る場所」に変わりました。これは地味ですが、私にとっては大きい変化です。買い候補を探す画面だけを開いていると、どうしても前向きな材料ばかりを見たくなります。ポジション確認画面を挟むことで、今の自分が本当に追加で買える状態なのかを一度見られます。
売買履歴や損益の記録は、以前に株式投資ツールへ売買履歴と損益グラフを実装した記事で作りました。今回の画面は、その記録をただ眺めるだけでなく、次の売買を止める材料として使う位置づけです。履歴が残っていても、判断に戻せなければ意味が薄いので、ここをつなげたかったです。
保有銘柄がない状態でも、エラーではなく「保有銘柄なし」と表示されるようになっています。こういう小さな挙動も、実際に使ううえでは大事でした。データがないときに画面が壊れると、確認する習慣そのものが途切れてしまうからです。
便利になった一方で、AIツールだけに任せないと決めたこと
今回の機能で、リスク管理はかなり見やすくなりました。ただ、これで投資判断が安全になったとは言い切れません。画面に「問題なし」と出ていても、決算前かもしれませんし、個別銘柄の材料が悪化しているかもしれません。相場全体の雰囲気も、SMAだけで完全に判断できるものではありません。
自動チェックは、買ってよい理由を作るためではなく、買わない理由に早く気づくために使うものだと考えています。ここを間違えると、ツールが「大丈夫」と言っているから進む、という依存に近づいてしまいます。私が作りたいのは、判断を代わりにしてくれるAIではなく、見落としやすい条件を毎回同じ順番で出してくれる道具です。
もう一つ残っている課題は、チェック結果の重みづけです。たとえば、1銘柄あたりの投資額が少し超えている場合と、月間損失が大きくなっている場合では、同じ「注意」でも意味が違います。今後は、どの警告なら新規買いを止めるのか、どの警告なら保有継続しながら監視するのかを分けていく必要があります。
また、相場フィルタやドローダウンの基準も、作った時点で完成ではありません。実際に運用してみて、厳しすぎるのか、緩すぎるのかを見ていく必要があります。数字を置いただけで安心するのではなく、売買履歴と一緒に振り返って、ルール自体を育てていく段階です。
- 警告の重みづけを、注意と停止で分けたい
- 決算前、個別材料、ニュース確認は別の流れで補う必要がある
- 相場フィルタとドローダウン基準は、運用しながら調整したい
次はリスク管理ルールを運用しながら調整する
今回のリライト前の記事では、実装した機能の説明が中心になっていました。あらためて整理してみると、この機能で本当に残したかったのは、AIにリスク管理を任せることではなく、私が決めたリスク管理ルールを忘れにくくすることでした。
買い候補を探す前に、今の保有状態を確認する。この順番をツールの中に入れられたことが、今回の一番の成果です。候補探しは前向きで楽しい作業ですが、ポジション管理は少し面倒です。だからこそ、面倒な確認を画面に出して、感覚で飛ばさないようにしたかったです。
次にやるなら、警告が出たときの行動まで整理したいです。たとえば、現金比率が下がっているなら新規買いを止める。月間損失が大きいなら、候補銘柄の確認だけにして注文はしない。ドローダウンが深いなら、保有銘柄ごとの縮小候補を見る。そこまで決めておくと、画面を見るだけで終わらず、次の行動につながります。
このツールは、投資で勝つことを保証するものではありません。むしろ、勢いで買いすぎないためのブレーキに近いです。AIに便利な画面を作ってもらいながらも、最終的にどのリスクを受け入れるかは自分で決める。その前提を崩さないように、少しずつ運用しながら直していきます。

