LLMのハルシネーションとは?AIが間違える理由と対策をわかりやすく解説

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AIを日常で使っていると、とても便利だと感じる場面が増えました。

ブログ記事の構成を考えたり、株式投資の情報を整理したり、子どもと遊ぶアイデアを出したり。
私自身も、AIを生活や仕事の中にかなり取り入れています。

ただ、AIを使ううえで避けて通れない問題があります。

それが、LLMのハルシネーションです。

今回は、AIを日常で使う人が知っておきたい「ハルシネーションとは何か」「なぜ起きるのか」「どう付き合えばいいのか」を、できるだけわかりやすく整理してみます。

目次

LLMのハルシネーションとは何か

ハルシネーションとは、AIが事実と違う内容や根拠のない内容をそれっぽく答えてしまう現象です。

たとえば、次のようなものです。

存在しない本を紹介する。
実際にはない論文名を出す。
間違った日付を自信満々に答える。
存在しないURLを提示する。
古い情報を、今も正しい情報のように説明する。

Google Cloudも、AIのハルシネーションを「AIモデルが生成する不正確または誤解を招く結果」と説明しています。原因として、学習データの不足、モデルの誤った推測、学習データの偏りなどが挙げられています。

ここで大事なのは、AIが人間のように「わざと嘘をついている」わけではないということです。

LLMは、簡単に言えば「次に来そうな言葉」を予測して文章を作っています。OpenAIも、現在の大規模言語モデルは、入力文や過去に見たパターンにもとづいて次の言葉を予測する仕組みであり、その結果が必ずしも事実とは限らないと説明しています。

つまり、AIは「正しいかどうか」よりも、「文章として自然かどうか」を優先してしまうことがあります。

これが、ハルシネーションのやっかいなところです。

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なぜAIは自信満々に間違えるのか

ハルシネーションで怖いのは、AIの回答が明らかに変な文章ではなく、むしろかなり自然に見えることです。

人間が読んでも、「なるほど、そうなんだ」と思ってしまうくらい、きれいにまとまっています。

でも、その中に間違いが混ざっていることがあります。

これは、AIが「私はこの情報を本当に知っているのか」を人間のように確認しているわけではないからです。

たとえば、子どもと遊べる場所をAIに聞いたとします。

AIが、

「この施設には授乳室があります」
「駅から徒歩5分です」
「予約不要です」

と答えたとしても、それが今も正しいとは限りません。

施設の営業時間は変わるかもしれません。
料金も変わるかもしれません。
閉店している可能性もあります。

AIは便利な相談相手ですが、最新情報や正確性が重要な場面では、そのまま信じるのは危険です。

OpenAIのヘルプでも、ChatGPTは役に立つ一方で常に正しいわけではなく、ときには間違った内容を自信ありげに出すことがあると説明されています。

ハルシネーションはなくせるのか

では、ハルシネーションは完全になくせるのでしょうか。

私の感覚では、現時点では「完全になくす」のは難しいです。

もちろん、AIの性能はどんどん上がっています。昔よりもかなり正確になっていると感じます。

それでも、AIが文章を生成する仕組みである以上、間違いがゼロになるとは考えないほうが安全です。

OpenAIも、事実性を測るためのSimpleQAという評価を公開しており、言語モデルが事実として正しい回答を出すことはまだ難しい課題だと説明しています。

ここで大事なのは、
「AIは間違えるから使えない」ではありません。

そうではなく、
「AIは間違える前提で使う」という考え方です。

電卓は計算が得意ですが、入力する数字を間違えれば答えも間違います。
カーナビは便利ですが、最新の道路状況を必ず反映しているとは限りません。

AIも同じです。

便利な道具ではあるけれど、万能ではありません。
だからこそ、使い方の設計が大事になります。

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日常で起きやすいハルシネーションの例

日常でAIを使う場合、特にハルシネーションが起きやすいのは、次のような場面だと思います。

まず、最新情報を聞くときです。
お店の営業時間、商品の価格、補助金制度、イベント情報などは変わりやすい情報です。

AIが古い情報をもとに答えてしまう可能性があります。

次に、専門的な情報を聞くときです。
法律、医療、税金、投資などは、少しの間違いでも影響が大きくなります。

こうした分野では、AIの回答をそのまま判断材料にするのではなく、公式情報や専門家の確認が必要です。

そして、出典を求めたときも注意が必要です。
AIは、実在しない論文やURLをそれっぽく作ってしまうことがあります。

文章が自然だからこそ、こちらが疑わないと気づけません。

ハルシネーションを減らすために私が意識していること

私がAIを使うときに意識しているのは、AIに「事実を作らせない」ことです。

たとえば、何かを調べたいときに、いきなりこう聞くのは少し危険です。

「おすすめの補助金を教えてください」
これだと、AIが知っている範囲でそれっぽく答えてしまう可能性があります。

以前、プロンプトの記事でも書いたように、AIは曖昧に聞けば曖昧に答えます。
ハルシネーション対策でも、指示の仕方はかなり重要です。

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AIに調べものを頼むときのプロンプト例

私が日常で使うなら、たとえば次のように聞くようにしています。

「不確かな情報は断定しないでください。公式情報で確認が必要な点は、確認が必要と明記してください」
「推測と事実を分けて説明してください」
「わからない場合は、わからないと答えてください」
「最新情報が必要な項目をリストアップしてください」

もちろん、これで完全に防げるわけではありません。でも、少なくとも「それっぽい断定」は減らせます。
この形にすると、AIの回答をそのまま信じるのではなく、確認しながら使えるようになります。

RAGという考え方も重要になる

ハルシネーション対策として、RAGという考え方もあります。

RAGは、簡単に言うと「AIに外部の資料を渡して、その資料をもとに答えさせる仕組み」です。
たとえば、会社のマニュアル、PDF資料、過去の記事、公式情報などをAIに渡し、その内容にもとづいて回答してもらいます。

これは、日常利用でもかなり大事な考え方です。

AIに何も渡さずに聞くと、AIは自分の中にある知識やパターンから答えます。

でも、資料を渡して、
「この資料の範囲で答えてください」
と指示すれば、回答の根拠がはっきりします。

そうすると、AIが勝手に話を広げすぎるリスクを減らせます。

ハルシネーションを恐れすぎる必要はない

ここまで読むと、「AIって危ないのでは?」と思うかもしれません。

でも、私はそうは考えていません。

むしろ、ハルシネーションを理解したうえで使えば、AIはかなり強力な道具になります。

大事なのは、AIに任せる部分と、人間が確認する部分を分けることです。

AIに任せやすいのは、次のような作業です。

文章のたたき台を作る。
アイデアを広げる。
情報を整理する。
比較表を作る。
考えを言語化する。

一方で、人間が確認すべきなのは、次のような部分です。

事実が正しいか。
最新情報か。
自分の判断として納得できるか。
お金や健康に関わる重要な判断か。
誰かに迷惑をかける可能性がないか。

AIは、考えるきっかけをくれる道具です。でも、最後に判断するのは自分です。

ここを忘れなければ、ハルシネーションは「AIを使わない理由」ではなく、「AIをうまく使うために知っておくべき性質」になります。

私はAIをどう使っていくか

私は、AIを日常に取り入れる実験をしています。

株式投資のルールを考える。
資産管理アプリを作る。
子どもとの遊び方を考える。

こうした場面でAIは本当に便利です。

ただし、どの場面でも、AIの回答をそのまま正解とは見ません。

AIの出力は、あくまで「考える材料」です。

たとえば投資であれば、AIがまとめた企業情報をそのまま信じて買うのではなく、決算資料やチャート、証券会社の情報を確認します。

AIに任せるほど、人間の確認がいらなくなるわけではありません。

むしろ、AIを使うほど、「どこを信じて、どこを疑うか」という判断力が大事になると感じています。

まとめ

LLMのハルシネーションとは、AIが事実と違う内容を、それっぽく答えてしまう現象です。

これは、AIが人間のように事実を理解しているというより、入力に対して自然な文章を生成しているために起こります。だからこそ、AIの回答は便利ですが、そのまま正解として扱うのは危険です。

今回のポイントは次の通りです。

AIは自信満々に間違えることがある。
最新情報や専門情報は特に確認が必要。
不確かなことは断定しないように指示する。
事実、推測、確認事項を分けて使う。
資料を渡して、その範囲で答えさせると安全性が上がる。

AIは魔法ではありません。
でも、使い方を理解すれば、思考を整理し、作業を助けてくれる強力な道具です。

ハルシネーションを怖がって使わないのではなく、ハルシネーションが起きる前提で、うまく付き合っていく。
これが、これからAIと生きるうえで大事な姿勢だと思います。

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この記事を書いた人

東証プライム上場企業で生成AIの開発に携わるAIエンジニアです。

仕事では最先端のAIを扱いながら、日常ではあまり活用できていないことに気づきました。

本当にAIは人生を変えるのか.

それを確かめるため、株式投資や副業、子どもとの遊びなどにAIを取り入れ、暮らしがどう変わるのかを実験・発信していきます。

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