AI株式投資ツールにファンダメンタル分析機能を実装した記録|PER・PBRを買う前に確認する

AI情報スキャンシートがチャートの下にある会社情報を照らすイメージ

※本記事はプロモーションを含みます。

※本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品への勧誘や投資助言を目的とするものではありません。投資判断はご自身の判断と責任で行ってください。

株スクリーニングで候補を拾う流れを作ると、次に気になったのは「その候補をどう確認するか」でした。チャートの形や買いシグナルが良さそうに見えても、それだけで買ってよいとは言えません。

私がAI株式投資ツールを作りながら感じたのは、候補を探す入口がテクニカル分析に寄りすぎる怖さです。スクリーニング画面は便利ですが、会社の数字、これまでの売買履歴、損益の見え方、現在の保有リスク、過去データでの検証まで確認しなければ、判断材料としてはまだ足りません。

そこで今回は、AIに実装を手伝ってもらいながら、ファンダメンタル分析パネル、チャートへの手書き機能、売買履歴、損益グラフ、リスク管理、バックテストUIを追加した記録をまとめます。

どれも「買う銘柄を決めてもらう機能」ではなく、買う前や判断を変える前に、私が一度立ち止まるための機能です。特定銘柄の売買をすすめるものではなく、自分の確認漏れを減らすためにツールを作っている途中の記録として書きます。

※本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品への勧誘や投資助言を目的とするものではありません。投資判断はご自身の判断と責任で行ってください。

今回追加した確認場所
  • ファンダメンタル分析パネルで、会社の数字を見る。
  • チャートに手書きラインを残し、自分の見立てを確認する。
  • 売買履歴と損益グラフで、結果を振り返る。
  • リスク管理画面で、保有状況が自分のルールから外れていないかを見る。
  • バックテストUIで、感覚だけで売買条件を変えないようにする。
目次

チャートだけで候補を判断するのが怖くなった

最初に気になったのは、買い候補を見る入口がチャート寄りになりすぎていることでした。カップウィズハンドルのような形を検出したり、買いタイミングを画面に表示したりすると、どうしても「チャートが良いかどうか」に意識が寄ります。

ただ、チャートの形が良く見えても、会社そのものの数字が弱い可能性はあります。業績や財務を別途確認したほうがよいかもしれません。PERやPBRの水準に違和感があるかもしれません。次の決算によって、現在の見方が大きく変わる可能性もあります。

テクニカル分析は、売買のタイミングを見る入口にはなります。しかし、会社の状態まで説明してくれるわけではありません。この2つを混ぜて考えると、「チャートが良い」というだけで、必要な判断材料がそろったように感じてしまいます。

こうした材料を確認しないまま候補を残していくのは、私には少し怖く感じました。そこでAIに、既存のチャート画面から会社の数字も確認できるようにしたいと相談しました。買い候補を拾う画面の次に、買う前に戻れる画面を作りたかったからです。

ファンダメンタル分析パネルを追加した

実装したのは、銘柄コードを入力したあと、チャートとファンダメンタル情報を切り替えて見られるパネルです。現在の画面では、PER、PBR、ROE、EPS、配当利回り、時価総額、52週高値・安値などを表示できるようになっています。

この表示は、コード上ではyfinance経由で取得できる情報を使っています。画面にも、データはyfinance経由のため一部欠損あり、という注記を出しています。銘柄や取得状況によっては、すべての項目が埋まるわけではありません。

そのため、この画面だけを見て「買ってよい銘柄か」を判定する使い方はしていません。私が欲しかったのは、ファンダメンタル分析から結論を出す機能ではなく、会社の数字に一度戻るための入口でした。

チャートでは良さそうに見えたとしても、数字を見て不安が残るなら、そのまま進まない。候補から外すのか、決算資料など別の確認先で深掘りするのかを考えます。表示項目が欠ける場合も、「取れない情報がある」と分かるだけで、確認を外に出すきっかけになります。

ファンダメンタル分析パネルを追加したことで、買い候補を見つけた直後に、その会社の数字へ戻る動線をツールの中に作ることができました。AIに任せたのは、情報を取得して見やすく並べる実装です。数字をどう解釈し、候補に残すかどうかは、私が確認する部分として残しています。

チャートに自分の見立てを残せるようにした

ファンダメンタル分析と並行して、チャート側にも手書き機能を追加しました。支持線、抵抗線、トレンドライン、フィボナッチを、自分でチャート上に引いて残せる機能です。

チャート分析についても、すべてをAIや自動判定に任せたいわけではありませんでした。同じチャートを見ても、どこを節目と考えるかは人によって違います。直近の高値を重く見るのか、何度も価格が止まった場所を見るのか、出来高と合わせて考えるのかによっても、線の意味は変わります。

自動で引かれた線だけを見ていると、私は「ツールがそう判断しているから」と、その表示に引っぱられてしまう可能性があります。本当に残したかったのは、自動判定の答えではなく、私自身がどこを節目だと考えたのかです。

AIには、既存のチャート機能を壊さずに、手書きラインを追加する方法を調べてもらいました。実装では、チャート本体に直接描画処理を詰め込むのではなく、チャートの上にSVGレイヤーを重ねる形になりました。読者向けに言えば、チャートの上へ透明なシートを置き、そのシートに線を引くようなイメージです。

描いた線は、画面上の見た目の位置だけではなく、価格や日付と価格の点として保存します。水平線は価格、トレンドラインやフィボナッチは日付と価格の2点をもとに保存する形です。見た目の位置だけで保存すると、チャートを拡大したり横に動かしたりしたときに、線だけがずれてしまうためです。

この機能でチャート判断が正しくなるわけではありません。自分が何を見ていたのかを残し、あとから「なぜこの価格帯を意識していたのか」に戻るための機能として使っています。

売買の結果を履歴として残すようにした

候補を探し、チャートやファンダメンタル情報を確認して、実際に売買したあとに必要になるのが履歴です。買った銘柄、数量、買った価格、売却価格、損益が残っていなければ、あとから振り返ることができません。

AIに実装を手伝ってもらった売買履歴機能では、保有中の取引と売却済みの取引を分けて表示できるようにしました。保有中の取引には数量と買値が残り、売却済みの取引には数量、買値、売値、実現損益、損益率が表示されます。月ごとの結果を大まかに確認するための月次損益グラフも追加しました。

売買履歴があることで、投資判断を「その場の感覚」だけで終わらせず、あとから確認できる記録へ少し戻せるようになりました。これは、AI株式投資ツールを作るうえで大きな変化でした。

ただし、履歴を残しただけで反省できるわけではありません。なぜ買ったのか、何を確認したのか、何を見落としたのかが残っていなければ、損益の数字だけを見て終わってしまいます。

今の段階では、売買履歴は結果を見る場所であると同時に、「次は判断理由も残したい」と気づく場所になっています。候補に入れた理由、チャートに引いた線、ファンダメンタル情報を見て気になった点、決算前であることを確認したかどうか。そうした売買前の情報と履歴がつながって、初めて振り返りやすくなると感じています。

AIに任せたいのは、損益を見て投資判断の良し悪しを決めてもらうことではありません。同じ形式で記録を残し、あとから私が確認できる土台を作ってもらうことです。

損益グラフの線だけで判断しない

損益グラフを追加すると、ツールは急にそれらしく見えます。一本の線で結果が表示されると、上がっているのか下がっているのかを一瞬で判断できるからです。

ただ、見やすいことと、正しく判断できることは別です。グラフがきれいにまとまっているほど、取引ごとの前提や理由を飛ばして、全体の雰囲気だけで判断したくなります。

損益グラフは、あくまで結果の要約です。判断理由そのものではありません。線が右肩上がりに見えても、一部の取引へ損益が偏っている可能性があります。反対に、短期的に悪く見えていても、個別の取引を確認すると、改善すべき場所が別にあるかもしれません。

現在の月次損益グラフは、決済済み取引を月ごとに集計した実現損益のグラフです。保有中の評価額、つまり含み損益まで混ぜて表示しているわけではありません。保有中の評価と、売却して確定した結果では意味が違うので、ここは急いで混ぜないようにしています。

AIに確認を手伝ってもらうなら、「このグラフは良い」と評価してもらうよりも、前回から大きく変わったところや、見落としそうな偏りを拾ってもらうほうが相性がよいと感じています。損益が大きく動いた月、結果が一部の取引へ偏っていないか、判断理由のメモが残っていない取引はないか。そうした確認項目を出してもらうほうが、線の向きだけで判断を急がずに済みます。

グラフを見るときは、まず個別の売買理由へ戻れるかを確認します。戻れないのであれば、次に改善すべきなのはグラフの見た目ではなく、記録の残し方です。

保有中のリスクを同じ画面で確認する

売買履歴や損益グラフを見られるようになると、保有中のリスクも同じ流れで確認したくなりました。候補を見つけることよりも、買ったあとに自分のルールを守れているかのほうが大事になる場面もあります。

現在のツールには、保有銘柄のリスク管理を自動チェックする画面があります。設定から資金管理の値を読み込み、1銘柄あたりのリスク、保有数、現金比率、月間損失ラインなどを確認する流れです。

ここで共有する数値は、すでに公開済みとして確認している範囲に限ります。損切りラインは-12%、1回の最大損失は資金の2%、月間停止ラインは-10%、同時保有は3〜4銘柄、現金比率は30〜40%です。

このリスク管理チェックは、買い候補を増やすための機能ではありません。保有数が増えすぎていないか、現金が減りすぎていないか、1回の取引で想定する損失が大きくなりすぎていないかを確認し、新しい取引をしてよい状態か一度立ち止まるための画面です。

注意したいのは、資金管理の数値を表示したからといって、それが投資の正解になるわけではないことです。これは私が現在の運用で使っている基準であり、誰にでも合う設定ではありません。また、この記事では、パターン判定の具体的なしきい値や、売買ロジックを再現できる数値は公開しません。

リスク管理画面があるから安心なのではなく、その画面を見たときに手を止められるかが大事です。月間停止ラインに近づいているなら、新規取引を控える。現金比率が下がりすぎているなら、良さそうな候補が出ても見送る。買いたい気持ちから、事前に決めた資金管理へ戻るための補助として使っています。

不具合が直ったことより、何がずれたのかを残す

このツールは、最初から一直線に完成したわけではありません。機能を追加する途中で、不具合も出ています。今回の統合では、買いタイミングの表示が更新されない問題と、銘柄変更時に発生したエラーを、過去に起きた単発の不具合として整理しています。

買いタイミング表示の問題では、銘柄を変更したときに画面の状態が期待どおりに切り替わらず、前に見ていた銘柄の表示が残る可能性がありました。投資ツールでは、表示されている情報が古いのか、新しく取得したものなのか分からない状態が一番困ります。

買いシグナルの内容を確認する前に、画面が現在どの銘柄の情報を表示しているのかを信頼できる必要があります。ここが曖昧だと、良さそうな表示を見ても判断材料として使えません。

銘柄変更時のエラーも同じです。コードと画面の状態が少しずれるだけで、チャート、シグナル、ファンダメンタル情報、候補管理のうち、どこまで正しく切り替わっているのか分かりにくくなります。

AIに修正を任せるときも、私は「エラーが消えたか」だけで終わらせないようにしています。何が原因だったのか、どの範囲を直したのか、同じような前提のずれが起きたときにどこを確認するのかを分けて残します。これはAIが書いたコードを信用しないという意味ではありません。どこまで確認できたかを残すことで、信用できる範囲を自分で把握するためです。

不具合修正の記録は、完成した機能の紹介に比べると地味です。それでも、AIと一緒に道具を作り続けるなら、どこで壊れ、どう直し、次は何に注意するのかを残しておく必要があります。記録がなければ、しばらく経ったあとに、また同じ場所で迷うことになります。

バックテストを画面から確認できるようにした

候補を探す画面、ファンダメンタル情報を見る画面、売買履歴を残す画面ができると、次に必要になるのは売買条件の検証です。画面上で良さそうに見える条件でも、過去データで確認せずに調整を続けると、私の感覚に合わせて条件を変え続けることになります。

そこで、バックテストを画面から実行し、結果を確認できるWeb UIを作りました。現在は、ジョブ一覧、進捗、指標カード、資産推移グラフ、パターン別の内訳、決済理由、トレードログなどを確認できます。

このWeb UIは、すでに公開しているカップウィズハンドルの短期ルックバック検証で使ったツールです。コードと保存データを確認した範囲では、保存済みのバックテストジョブに158件・166件という総トレード件数が残っていました。これは成績の主張ではなく、検証規模の記録として扱います。

※本文中のバックテスト結果は過去データに基づく検証結果であり、将来の成績や利益を保証するものではありません。

2026年6月28日のコミットでは、カップウィズハンドルを買い判定に設定した履歴も確認できました。ただし、公開時点までに実装が更新される可能性はあります。この記事でいう「現在」は、執筆時点でコードと保存データを確認した範囲を指しています。

この記事では、新しいバックテスト結果や成績を主張することはしません。詳しい検証結果やカップウィズハンドルの内容については、既存の専用記事に任せます。ここで残したいのは、感覚で条件を修正し続けないために、バックテストを実行して結果へ戻れる場所を作ったという流れです。

バックテストUIがあることと、売買条件の有効性が証明されたことは別です。表示される結果は過去データに基づくものであり、対象期間や前提条件によって変わります。また、この記事では、カップウィズハンドルの判定しきい値、短期ルックバックの具体的な日数、出口条件の具体値は公開しません。

AIに任せたのは、バックテストを実行し、結果を保存し、画面で確認できるようにする部分です。人間側に残るのは、どの結果を採用候補として見るのか、過去データに合わせすぎていないか、どの条件を保留にするのかを判断することです。

機能を増やした目的は、買う理由を増やすことではない

ここまでに追加した機能を並べると、かなり多く見えます。ファンダメンタル分析、チャートへの手書き、売買履歴、損益グラフ、リスク管理、不具合修正、バックテストUI。機能だけを見ると、投資判断をどんどん自動化しているように見えるかもしれません。

ただ、私の感覚では少し逆です。機能を増やすほど、「買う理由」ではなく「止まる場所」を増やしています。

ファンダメンタル分析パネルは、会社の数字へ戻る場所です。チャートの手書きラインは、自分がどこを見ていたのかを残す場所です。売買履歴と損益グラフは、結果の数字だけで終わらず、判断理由へ戻る場所です。リスク管理画面は、買いたい気持ちを資金管理のルールで止める場所です。バックテストUIは、感覚だけで売買条件を変えないための場所です。

自分で同じようなツールを作るなら、すべての機能を一度にそろえる必要はないと思います。まずは、自分が買う前に見落としやすい場所を一つ決め、そこから小さく道具にしていくほうが続けやすいです。

  • チャートだけで進みやすいなら、会社の数字を見る場所を作る。
  • 損益の数字に引っぱられやすいなら、売買理由へ戻れる履歴を残す。
  • 買いたい気持ちが強くなりやすいなら、保有数や現金比率を表示する。
  • 条件を感覚で変えがちなら、バックテスト結果へ戻れる場所を作る。

AIと一緒に投資ツールを作る面白さは、自分が困っていることを、一つずつ画面や記録に変えられるところです。一方で、画面が増えたからといって、投資判断が正しくなるわけではありません。

どこをAIに任せるのか。どこで自分が止まるのか。確認できなかったものを、どこで保留にするのか。その境界を残しておかなければ、機能が増えたぶんだけ、表示された情報に流される可能性もあります。

次は、株スクリーニングで拾った候補と、今回追加した分析・記録の流れをもう少しつなげたいと思っています。候補に入れた理由、ファンダメンタル情報で気になった点、チャートに引いた線、買わなかった理由、バックテスト上の前提。そこまで一つの流れとして残せるようになれば、このAI株式投資ツールは「買う銘柄を探す道具」から、私の判断の雑さを減らすための記録ツールに、もう少し近づくのではないかと思っています。

このAI株式投資ツール全体の開発経緯は、AI株式投資ツール開発まとめにも整理しています。

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この記事を書いた人

東証プライム上場企業で生成AIの開発に携わるAIエンジニアです。

仕事では最先端のAIを扱いながら、日常ではあまり活用できていないことに気づきました。

本当にAIは人生を変えるのか.

それを確かめるため、株式投資や副業、子どもとの遊びなどにAIを取り入れ、暮らしがどう変わるのかを実験・発信していきます。

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