前回の記事では、moomoo証券の中でも気になっているmoomoo AIについて整理しました。

moomoo AIでは、銘柄分析、チャート予測、チャートパターン検出、翻訳、要約など、株式投資に関係する情報整理ができます。
ただし、前回も書いた通り、「moomoo AIを使えば投資で勝てる」という話ではありません。
私がやりたいのは、AIに買う銘柄を決めてもらうことではありません。
自分の投資判断を補助してもらうことです。
つまり、moomoo AIを「投資判断を丸投げするAI」ではなく、「買う前の確認に使うAI」として使えないかを考えています。
前回の記事では、まだ実際の銘柄を使った検証までは踏み込みませんでした。
そこで今回は、自作の株式投資ツールとmoomoo AIをどう組み合わせるかを整理し、買う前の最終確認フローを作ってみます。
moomoo AIの役割
私はこれまで、AIと一緒に投資戦略、リスク管理、売買ルールを作ってきました。
そして、そのルールを実際に使えるようにするために、自作の株式投資ツールも作っています。
自作ツールでは、主に買いタイミングの一次判定を行います。

一方で、現時点の自作ツールだけでは見きれない部分もありますし、今後も自作ツールをアップデートしていくつもりではありますが、すべてを自作ツールですべて判断しようとすると、かなり大変です。
そこで、moomoo AIを買う前の最終確認役として使えないかと考えました。
moomoo AIは、自作ツールで選出した候補銘柄について、買う前に見落としている点がないかを確認するために使います。
私の中では、役割は次のように分けました。
- 自作株式投資ツールは、買いタイミングの一次判定。
- moomoo AIは、会社、業績、材料、チャートの最終確認。
- 最終判断は、自分で行う。
この形にすれば、判断材料を増やし、見落としを減らした投資判断に近づけるのではないかと考えました。
プロンプトは出力を見ながら調整した
まずはChatGPTに、moomoo AIで確認すべき内容を整理してもらいました。
自作ツールで買いタイミングがOKになった銘柄について、買う前に何を確認すべきか。
会社の基本情報、業績、決算、ニュース、チャート、買いタイミングなど、必要そうな観点を洗い出してもらいました。
その内容をもとに、moomoo AIに入力するためのプロンプトを作りました。
ただ、最初に作ったプロンプトは少し細かすぎました。
確認したいことを全部入れようとしたため、moomoo AIの出力もかなり長くなりました。
詳しく分析してくれるのは良いことです。でも、実際に投資判断に使うことを考えると、情報が多すぎても自分の中で整理しきれません。
会社の情報、業績、ニュース、チャートが長々と出てくると、結局どこを見ればよいのか迷ってしまいます。
そこで、moomoo AIの出力結果を見ながら、ChatGPTと一緒にプロンプトを修正していきました。
「この項目は重複している」
「ファンダメンタルと決算はまとめた方がよさそう」
「チャートと買いタイミングはもっと重視したい」
「最後に、買い候補、監視継続、見送りのどれに近いかを出してほしい」
このように、出力を見て、必要な項目を残し、不要な項目を削っていきました。
最終的には、細かい分析レポートを作るのではなく、買う前に重要なポイントだけを確認できるプロンプトにしました。
大事なのは、AIにたくさん答えてもらうことではありません。自分が判断しやすい形で整理してもらうことです。
今回は、そのために、ChatGPTで質問内容を整理し、moomoo AIで試し、出力を見ながらまた修正する、という流れでプロンプトを調整しました。
最終的に作ったmoomoo AI用プロンプト
最終的には、以下のプロンプトにしました。
意識したのは、「買う前に本当に見たいポイントだけに絞ること」です。
以下の銘柄について、買う前の確認材料として中立的に整理してください。
対象銘柄:
【銘柄コード・銘柄名を入力】
目的:
この銘柄を買うかどうかをAIに決めてもらうのではなく、買う前に確認すべき重要ポイントだけを整理したいです。
売買推奨ではなく、投資判断の材料としてまとめてください。
不明な点は推測せず「確認が必要」と書いてください。
出力は長くしすぎないでください。
各項目は要点だけに絞り、最後の総合判断まで必ず出してください。
## 会社の基本情報
以下を簡潔に整理してください。
- 何をしている会社か
- 主な収益源
- 強みと弱み
- 競合企業と比べた特徴
- 他に特筆すべき会社情報はあるか
## 業績・決算
以下を確認してください。
- 売上と利益は伸びているか
- 直近決算は増収増益か
- EPSは伸びているか
- ROE10%以上、自己資本比率30%以上、時価総額300億円以上を満たしているか
- 営業キャッシュフローに問題はないか
- 他に特筆すべきファンダメンタル情報はあるか
ROEや営業キャッシュフローなどは、四半期単体の数値だけで過度に判断せず、可能であれば通期や過去数年の傾向も踏まえて整理してください。
最後に、業績・決算は「プラス」「ややプラス」「判断が難しい」「マイナス」のどれに近いかまとめてください。
## 材料・ニュース
以下を確認してください。
- 株価上昇につながる材料はあるか
- 悪材料や注意すべきニュースはあるか
- 株価上昇は業績を伴ったものか、期待先行か
- 今後の重要イベントはあるか
最後に、材料面は「追い風」「中立」「リスクあり」「確認が必要」のどれに近いかまとめてください。
## チャートと買いタイミング
以下を確認してください。
- 現在は上昇トレンド、調整局面、持ち合い、下落トレンドのどれに近いか
- カップウィズハンドルとして見られる形か
- 現在株価はPivotから近いか、すでに上がりすぎているか
- 出来高を伴ったブレイクに見えるか
- RSIなどで買われすぎになっていないか
- 買われすぎの場合、上昇継続として許容できるか、調整リスクが高いか
- 短期的に上がりそうか、調整しそうか
- 中期的に上がりそうか
最後に、チャート面は以下の3点でまとめてください。
- 今買うタイミングに近いか、遅いか
- 短期では上がりそうか、調整しそうか
- 中期では上がりそうか
## 総合まとめ
最後に、以下だけを簡潔にまとめてください。
1. プラス材料
2. 不安材料
3. 追加確認が必要な点
4. 今すぐ買う場合の一番大きなリスク
5. 短期の上昇可能性
6. 中期の上昇可能性
7. 総合的に見て「買い候補」「監視継続」「見送り」のどれに近いか
最後の分類は売買推奨ではなく、投資判断のための確認材料として中立的に整理してください。
このプロンプトで大事にしたのは、AIに「買うべきか」を聞かないことです。
聞きたいのは、買う前に確認すべき材料です。
特に重視したのは、最後に「買い候補」「監視継続」「見送り」のどれに近いかを出してもらうことです。
もちろん、その分類をそのまま信じるわけではありません。ただ、最終判断の前に、自分の考えを整理する材料にはなります。
アイダエンジニアリングで試してみた
今回は、アイダエンジニアリング、銘柄コード6118を例に、moomoo AIで確認してみました。
アイダエンジニアリングは、自作ツールで買い候補として選出された銘柄です。

moomoo AIの出力結果
moomoo AIの利用規約で、moomoo証券のコンテンツに関しては、事前の書面承認なしに複製、転載、配布、公表などをしてはならないとされているみたいです。moomoo AIの出力がその規約に含まれるかわかりませんが、全文をそのまま記載するのは避けたいと思います。
moomoo証券に登録したら、無料で月50回まで使えるので、自身で試してみることをおすすめします。
ファンダメンタル
アイダエンジニアリングは、サーボ駆動式プレス機の製造・販売を主力とする工作機械メーカーみたいです。
主な収益源は、自動車関連向けのプレス機械です。サーボプレス分野で世界的な競争力を持ち、プレス機メーカーの中でもサーボ駆動技術に強みがあるとされています。一方で、売上の多くを自動車関連に依存しているため、自動車産業の景気に影響を受けやすい点が弱みとして挙げられました。
業績・決算面では、売上と利益が伸びており、直近決算も増収増益と整理されています。EPSも増加しており、業績面では一定の成長が確認されています。
財務面では、自己資本比率は30%以上、時価総額は300億円以上を満たしています。一方で、ROEは10%を下回っており、直近四半期の営業キャッシュフローはマイナスとなっています。そのため、業績・決算の総合評価は「ややプラス」と整理されました。
材料・ニュース
材料・ニュース面では、直近の業績好調が株価上昇につながる材料として挙げられています。一方で、特定の大型ニュースは確認できず、信用取引面では逆日歩が発生していた点が注意点として挙げられました。材料面の総合評価は「中立」と整理されています。
チャート
チャート面では、株価は52週高値付近まで上昇しており、上昇トレンドにあると整理されました。一方で、カップウィズハンドルに該当する形状は確認できないとされています。
また、株価は直近高値付近に達しており、すでに上がりすぎている可能性が高いと整理されました。出来高を伴ったブレイクは見られるものの、RSIやCCIなどの指標では買われすぎが示されており、短期的には調整リスクが高いとされています。
チャート面のまとめでは、今買うタイミングとしては遅く、短期では調整しそう、中期では業績好調を背景に上昇余地がある、という整理でした。
総合評価
総合評価は「監視継続」でした。
プラス材料としては、増収増益が継続していること、自己資本比率が高く財務体質が堅実であること、世界的なシェアを持つニッチな事業を展開していることが挙げられました。
不安材料としては、株価が52週高値付近でテクニカル的に過熱していること、ROEが低水準であること、営業キャッシュフローが直近四半期でマイナスであることが挙げられました。
追加確認が必要な点としては、今後の業績見通し、営業利益率の動向、営業キャッシュフローの改善、次回決算発表日が挙げられました。
短期の上昇可能性は低く、中期の上昇可能性はやや高いという整理でした。
結果を受けて買うか買わないか
moomoo AIの出力を見る限り、アイダエンジニアリングは「すぐに買い」と判断できる銘柄ではありませんでした。
業績面では悪くなさそうですが、チャート面では高値圏にあり、短期的には調整リスクがあるという整理です。
ここは一度見送って、押し目や過熱感が落ち着くのを待つ場面だと思いました。
ただ、今回はあえて100株だけ買ってみることにしました。
理由は、今回の目的が「最初から完璧な投資判断をすること」ではなく、「自作ツールとmoomoo AIを組み合わせた判断フローを実際に回してみること」だからです。
100株であれば購入金額は10万円台なので、まずは小さく試せます。
実際に買ってみることで、moomoo AIの分析がどこまで参考になるのか、自分の判断が甘かったのか、今後のルール改善にどう活かせるのかを確認していきたいと思います。
結果については、追って記事にしていきます。
今回作った最終確認フロー
今回の結果を踏まえて、買う前の最終確認フローを次のように整理しました。
まず、自作株式投資ツールで買いタイミングを確認します。
条件に合わなければ見送り。
条件に合えば、買い候補として次に進みます。
次に、moomoo AIで会社の基本情報、業績・決算、材料・ニュース、チャートと買いタイミングを確認します。
総合まとめでは、「買い候補」「監視継続」「見送り」のどれに近いかを確認します。
そのうえで、自分の投資ルールに照らして最終判断します。
この流れにすれば、AIに頼りすぎず、それでもAIを活用して判断の抜け漏れを減らせそうです。
まとめ
今回は、自作株式投資ツールとmoomoo AIを組み合わせて、買う前の最終確認フローを作りました。
前回の記事では、moomoo AIを買う前の確認役として使えそうかを整理しました。
今回は、その次の段階として、実際にmoomoo AIに聞くためのプロンプトを作り、アイダエンジニアリングで試してみました。
結果として、moomoo AIのプロンプトを作成し、会社の基本情報、業績・決算、材料・ニュース、チャートと買いタイミング、総合まとめに絞って、情報を得ることができるようになりました。
今後は、自作ツールで買いタイミングがOKになった銘柄を、今回のプロンプトでmoomoo AIに確認していきます。
そして、実際に買ったのか、見送ったのか。その判断が結果としてどうだったのか。
そこまで含めて、AI投資実験として記録していきたいと思います。

